天洋酒店開催 市販酒品評会 に行ってきました

全国の地酒愛好家の圧倒的支持を得る、能代の地酒屋さん、「秋田地酒の伝道師」である天洋酒店さんで、
第22回市販酒品評会が行われました。

この品評会では、天洋酒店さんが取り扱っている銘柄(喜久水、雪の茅舎、ゆきの美人<竿灯>、
一白水成<福禄寿>、白瀑、福小町、やまとしずく<出羽鶴>、春霞などなど)
を中心に、お取り扱いのない商品も対照として加えて、総数35本にも及ぶ商品を、
全国から集まった日本酒ファン30人で利き酒をし、評価し、宴会になだれ込むというものです。

お客さんにとっては、最高。
しかし、メーカーにとっては、緊張する会です。参加者は全員、商品名がわからない酒を
利き酒し、良ければ1を、悪ければ3をつけ、提出するのですが、
もし、自分のところの酒に3をつけたら!
置いてもらってる酒が最下位だったら!
など、嫌な想像ばかりが頭をよぎります—–

この日は、ちょうど当蔵を見学しに来てくれた、福岡の「白糸酒造」(銘柄名:白糸)
の次期蔵元、田中克典くんと一緒に、能代に向かいました。

白糸酒造のホームページ。跳木搾りという
石の重しを乗せて酒を搾るというレアな方式をいまだに採用している、すごい蔵です


3年前まで、広島の酒類総合研究所で、研究生をやっていた彼ですが(私と一緒の部署でした)、
まだ25歳という若さ。今年から、蔵入りして酒造りをするということです。
当蔵に到着するなり、出麹という作業を手伝ってもらいました—–すみません、人手が足りなくて!
それから車に飛び乗って、能代に到着。

さて、当蔵のお酒の結果は?  なんと、かなり成績が良い!
青やまユが2位、赤やまユが3位、5位にやまユ隠し大吟醸と、
ベスト5に、なぜか3本も酒が入ってしまいました。

天洋酒店さんのブログから拝借↓、
1点をつけた人数の多いベスト5は、
18人 『花朝月夕』(雪の茅舎)
17人 『青やまユ』(新政)
16人 『喜一郎の酒』(喜久水)&『赤やまユ』(新政)
15人 『ゆきの美人 純吟 愛山麹』&『一白水成 特純』
14人 『やまユ19BY大吟醸』(新政)&『白瀑 3年大吟醸』

天洋酒店さんのブログです

85%純米も、出品されてたんですが、これもそんな悪くない成績。
精白や値段から考えると、健闘もいいところです。
「青やまユ」の2位には、びっくり。
「赤」に比べると、あまりにも優等生的なお酒だったので、
市場の評価はどうか心配していましたが、
「見本のような純米吟醸」とお客様に言われて、その完成度が評価されたのかな、と理解しました。

正直、当蔵はできすぎる成績でした。嬉しい半面、「え?」という結果です。
たぶん、今回初参加だったので、ビギナーズラックだと思います。
出品された酒はどれも、すばらしくレベルが高く、天洋さんの品揃えのレベルの高さが伺えました。
どれが上位に食い込んでも、まったくおかしくない酒ばかりなのに、
僅差でやまユが健闘できたのは、
素人のような若手の造り手だったけど、真剣さだけを取り柄に造った酒だからではないかな、
と思います。
手作りのお酒は、うまいまずいだけではないところがあり、
造り手の気迫というかオーラを身にまとうことがあるからです。

しかし、この市販酒品評会、22年も続いているところがすごい。
しかも、県外のファンが、毎年続々と能代に詰めかけるという、
この熱気もすごい。もっといい酒を造らないといけないなあと、決意を新たにした日でした。
下の写真は、宴会の後、焼き肉屋で反省会。
左から「ゆきの美人」の蔵元で、造り手として秋田でトップクラスの技術を持つ大先輩、小林忠彦さん。
いつもご指導いただいている、秋田醸造試験場長の田口隆信先生。
そして白糸の田中克典くん。みんなであれこれ批評しながら、締めにラーメン喰いました。
(私だけ、焼き肉でしたが—-)

$蔵元駄文-焼き肉