美郷錦が手に入ります!

本日、大潟村のカリスマ農家の鈴木秀則さまとお会いいたしまして、
美郷錦をいただけることになりました!

この米、日本酒ファンなら知っているかもしれませんが(?)、
山田錦と美山錦という、性格がかなり反対の酒造好適米の掛け合わせでできたお米なんです。
(詳細↓)
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1131617972644/files/12005.pdf


個人的には、山田錦よりは、ずっと美山錦に近いような気がしますが、
たしかに山田錦の面影もちらついていて、
透明感とコクを併せ持つ、独特の味わいがあるように思います。

ということで、この美郷錦は、
秋田の酒米の裏番長のような米(無論、表のボスは『酒こまち』です)として、我々造り手の中では
尊敬を勝ち得ている米です。
県内では、「春霞」さん、「一白水成」さん、
「まんさくの花」さん、「阿櫻」さんなんかが使ってて有名ですよね。
それどころか、県外の蔵にも大人気で、
山形の「上喜元」さんとか「くどき上手」「鯉川」さんとか
青森の「豊盃」さんとか、ほんと、ファンがいっぱい。


で、私のところの蔵では、使ったことがなかったと—-。
いやはや、鈴木さま、本当にありがとうございます。これ以上、出遅れずに済みました。

実は、美郷錦は、喉から手が出るほど欲しかった米だったのです。
この米は、発注すれば届くような米ではなくって、契約農家を用意して、種モミを発注して
と、何から何まで自分で準備しなくてはならない米なんです。
(まあ、当蔵で契約栽培している「改良信交」のようなものですね)

ところが、昨年の私は、そんな原料米の事情を何もわかっていない、
すさまじいアホだったため、ヘマをやらかしたのでした。

(酒造組合用の)米の必要数量を記入する紙に、200俵とか
ちょろっと書いて、それで届くと思ってたのだから、大変。あとで、そんなんじゃ
手に入らないのがわかり、どうする?ということになって、美郷錦の本場である
美郷町の「春霞」さんにヘルプの電話をしましたが、当然、余る訳がないです、
貴重な米なんだから。

そんなこんなで、あきらめていたところ、当蔵のスーパー釜屋の古関くん
ルートの打診で、見事、鈴木さんと知り合う事ができました。
不思議に今年は、収量があって、美郷錦が余ってしまったとのこと。
稲作にまつわる、興味深いお話を伺う事もできまして、
件の美郷錦は、すぐにいただくことにいたしました。100俵あまりです。これだけあれば
数本もろみが立ちます。ラッキーです。

これで、亀の尾改良信交美郷錦雄町と好きな米が軒並み手に入りました!!!
これ全部、純米吟醸にしようと思ってますが、どれがうまくなることやら。

楽しみで仕込みが待ちきれません!