せいろがほしい

最近、何を書いているのかわからない、マニアックすぎる、難しい、
と、お叱りをいただきます。なんだか、技術者の方にも、よく見られていると聞いたので
情報公開的な意味合いで詳しく書いたろうと思ってしまい、ボーメだのグルコースだの、
横文字頻出になってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです—-
どうせ私も酒造りなど何一つわかっていないので、
わけのわからないときは、てきとーに読み飛ばしていただけますと幸いです……

えー、おととい新潟に行ってました。麹で徹夜してそのまま新潟に行き、帰ってそのまま、
また麹の番で、頭がおかしくなりそうでしたが、行った甲斐はありました。

これは、長年おつきあいのある卸会社が主催してくれました蔵元見学会で、
行った先は「越の誉」というお蔵さん。
柏崎という田中角栄の出身地にある蔵で、地震でめちゃくちゃにつぶれてしまった蔵です。
最近、蔵を新築し、とってもキレイになっていると聞きまして、見学に行きました。
本当によくぞ、再建した!! というくらいの見事な新蔵。
うちはぼろぼろなので、逆にうらやましいかも—とすら思いました。

そして、中に入ると! とても、素晴らしい収穫がありました。
まずは、「越の誉」の杜氏である平野さまが、たいへん素晴らしくオープンな方で、
惜しげなくデータを見せてくれたことです。
麹の経過簿なんか見ると、使っている種麹やら、温度経過やらウチともやや似ていて、
いろいろと技術相談、情報交換にのってくれました。
ありがとうございます。


そして、もっと、すごいのが!

$蔵元駄文-せいろ

せいろ だ!
実はここ数ヶ月くらい、せいろが欲しくて欲しくて、気が狂いそうでした。
(もはや狂っている?)

えー、私の蔵は、OH式甑という、スーパーな釜を持ってます。
これは(マニアックな話になりますので、飛ばしてください)、
きょうかい10号を発見されたことで有名な、小川知可良先生の理論を
もとに造られた甑なんですね(OHのオーは、確か小川のOです。Hはなんだっけ—)
うちのこの甑は、とんでもない蒸気量と、加圧能力、
そして米をからりと蒸し上げる乾燥蒸気まで自由自在。サイズも強力にでかくて、相当我々は
この釜を愛しています。



$蔵元駄文-OH
(↑OH式甑。身を乗り出し、その類いまれなる強い蒸気を利用して、
数時間におよぶ蒸気パックをしている古関くんと、ヘルパーのしげさん)


ただし悩みもあります。この釜一個では、どうしても麹と掛米の蒸しわけができないこと!

この釜は、どちらかというと、乾燥蒸気をばりばり当てて、からっとした掛米を作るのに
向いているような気がします。でも、一緒に、麹用の米も蒸さなくてはならないから、
どっちつかずで、この釜の性能を全開にできる機会など、滅多になし。
やっぱり麹は別に蒸したいものだ—と思ってところです。
しかし、釜は高いんですね、しかも思いっきり場所取るし。

そこで、せいろなら、大工に造ってもらえる。しかも、木の断熱能力は素晴らしい。
キャスター付けて移動できないだろうか? 使うときだけ持ってくる。麹だけなら
量も少ない。きっとせいろも、かなりコンパクトで済むし、もともと量に応じて、重ねれば良い。
しかも、見た目もかなりいい。
いっそ無駄に積み重ねたい。酒造りというか、料理をしているみたいで、ほのぼのする—-。
まんじゅうが入っているようだ—-横浜みたいだ—。

と思っていたところ、天の配剤で、このたび、目の前に、リアルなせいろがどん!
「越の誉」の平野杜氏いわく、昔からこれでやっていたから、珍しいと思ってなかった、
とのこと。肝心の蒸米の出来は? 
「越の誉」さんでは、大吟醸にのみ使用しているくらいですし、
ここ数年でも全国新酒鑑評会連続受賞、関信局主席獲得など
の実績から見ても、文句なし。

こういうせいろ、いろいろ細部まで設計して、来期は造ってみたいなあ。
と思った新潟旅行でした。