「究」発売!

明日は、産学連携共同開発酒「究」(きわむ)の発売です。
発売といっても、「生酒」の先行発売。
秋田県内だけの販売です。昨年、あっという間に売り切れてしまいましたが、
今年は、昨年以上に、出来が良いです。
というか、昨年は、「後味軽快」「雑味なし」というコンセプトを200%達成しすぎて
キレイすぎたきらいがありました。

が、今年は、昨年並みの「骨格の美しさ」を誇りながら、
六號特有の鮮やかな酸味が魅力的に映える酒になりました。

+8で、ブドウ糖もほとんど残ってませんが、なぜか、ほのかに甘い。
喉に一切ひっかからないので、いくらでも飲めます。
新・淡麗主義と名付けたいです。

これは、県立大学の設計を忠実に(?)表現したからこうなりましたが、
いつもなら、当蔵は、デゥアッと米を溶かし、もっと酸をバチョッと出して、
ドリュっと醸し、ジャッと搾る。ということで、けっこうダイナミックな芳醇酒を造りますが、
「究」—-ナイス。
これはこれで、シュラッとしてて相当いい。
うちの杜氏は飲んべえですから、「こっちのほうがいいかも」なんて感想を!

その彼は、ただいま、慣れないパソコンと格闘中。
4/20に、この「究」の製法について、醸造協会で講演しなくてはならないのです。

題名「+5の甘口酒 『究』」というタイトルです。
辛口で、糖分が残ってないのに、まろやかで甘い。その秘密は何か—-?
という講演内容です。
(ちなみに昨年の「究」は+5でした。今年のほうが、酒度が切れてしまいました!)

パワーポイント使用。しかも1時間。これは、大変です。
私も、蔵に戻る直前、「醸造学会」という、酒造業界の研究成果の発表の場に
立ったことがあります。「有機酸の呈味性について」という題目で発表したんですが
(だから私は酸味マニアです)、
たった15分くらいなのに、時間もてあましましたですからね。
一時間の講演なんて、想像不能。

杜氏は、えんえんと、うなりながら、やってます。悲惨。

$蔵元駄文-究PPT

そして、この鈴木杜氏の後に、醸造学会セミナーで講演なさるのは、
なんと、我が秋田の誇る天才杜氏、高橋藤一 氏(@由利正宗/雪の茅舎)!!!

新酒鑑評会金賞受賞数は県内最高。その独自の酒造観に基づいた醸造方法は、唯一無二。
酒質は、これぞまさしく秋田・山内流の極北とも言うべき完成度を誇ります。

我が蔵では高橋杜氏をして、「キング」と尊敬の意をこめて
呼ばさせていただいております。実際。

恥ずかしながら、うちの鈴木隆が、前座を努めさせていただきます。
ということで、がんばれうちの杜氏!