風評被害について

“Passion 2011″は、無事に成功いたしました。来場頂きましたみなさんありがとうございます。
約200人に来てもらいまして、入場料は20万、オークションで6万円、義援金ボックスにも
ご協力いただきました。
さらにはNHKさんから、(地方の活性化に取り組んむ団体や個人を表彰する)東北ふるさと賞も
いただきまして、この副賞が10万円。義援金は、総額で37万くらいかな。
このように、40万近い資金を集めることができました。
こちらは、赤十字と被災地の酒造組合に配分させていただきます。
みなさんご協力、本当にありがとうございました!

本日は、この時間、久しぶりにゆっくりテレビを見ていますが、
茨城市役所が、放射線の検査をしてない福島県民は転入を認めないという対処をしていた
というニュースを知って、今、私、かるく頭に来ています—–。

もちろんまあ、頭の固いお役所仕事の典型的な対応が、極端な形で浮かび上がったに過ぎない
のでしょうが、公的機関がこういう、共感能力が完全に欠如した対応を
して、自ら風評被害を巻き起こしているのは、たいへん残念です。
すでに、どこぞのホテルで宿泊拒否とか、レストランが入店拒否したとか、
聞くに耐えない無知な行動があるということで、問題視されているのに、
よりによって隣県の市役所で同様のことが起こるとは!

かつて関東大震災の時に、デマゴーグによって在日朝鮮民族への虐殺行為があったということ
ですが、正直、いくら切迫した状況でも、我が国でそんなに酷いことがあるのかと思わないことも
あったんですが、いや~このぶんだと、たぶん、バッチリ虐殺あったんでしょうね。

そもそも「福島のものには放射能物質が付いているんじゃないか」などとやたら恐れる前に、
みな自分がどれだけクリーンな生活をしているのか、考えなおしたほうがいい。
例えばタバコ、カップラーメン、ジャンクフード、調味料・添加物まみれの
(一部の)コンビニ食品を頻繁に摂取しているのだったら、それを控えるほうが、
よっぽど寿命が延びたりして?

そういえば、今だに日本酒だって「大衆」レベルでは、偏見を受けている代物と言えなくもないぞ!
最近はやっと、一部のろくでもない酒とは、区別して見てもらえるようになったのか、
イメージは変わりつつありますが、ある意味、風評被害を長らく受けてきた飲み物だと思います。

こんな偏見が続くならば、日本酒ならびに福島県民は、いったい、どうすればいいのか?
極論でしょうが、もはや無知なものなどを相手にしないで、
誰にも媚びない商売をするしかないのでは、という気にすらなってきます。

福島県産品は、いずれ、いや、今から全力で、
まるごと県ごと、いっそ、旧態依然とした大量生産・大量消費システムから
逃れるべきなのでは?

まずは、今回の風評被害から一切守ってくれなどしなかった専門性に乏しい流通/卸などが
あれば、絶縁すべきでしょう。
単に商品を右から左に流すだけで、なんの価値も生まず、かばってさえくれなかった流通など、
いっそ、クロネコヤマトにしてしまうべきです。

そして、売り先も限定する。
風評被害の蔓延した、コスト至上主義の日用品売り場である、
いわば、スーパーやらドラッグストアやらには、絶縁状を叩き付ける。
そこではなんの価値も生まれない、商品が棚晒しにされる売り場。
CMで生産された価値を消費するだけの空虚な空間。当たり前ですが、そういう
売り場では、生活・生活・生活の、のっぴきならぬ要請から、
いつだって無情な市場原理が呈示されるのみです。

守ってくれなかった取引先、説明も弁護もしてくれなかった商売相手、
市場原理に対してあまりにも無力な販売網からは、逃れなくてはなりません。

これからは、福島県に限らず、全国津々浦々、多くの零細生産者たちは、
コストばかりが取りざたされる日用品(=マス向けのもの)など造らないで、
さらに価値あるものを価値ある店で売るように心がけなくてはいけません。
望ましいのは、地産地消あるいは、専門店文化に根ざした商圏を育成してゆくこと。

そう、そもそも欽ちゃんじゃあるまいし、みんなに好かれる必要はないんですよ。
福島県民、あえてこの屈辱を忘れず、闘いましょう。