極寒期の大吟造り

あんまり寒い日が続くので、当蔵のもろみでも、
風邪をひいてしまったものが出ています—-。

もろみが、冷えすぎてしまうと、酵母が増えることができなくなってしまい、
後のち、酵母に健全な発酵を期待することができなくなってしまい、
大変苦労することもあるのです。

特に、米に栄養が残っていない、高精白のもろみ—-(純米)大吟醸などでは、
一旦、温度が下がりすぎて酵母の増殖が挫折すると結構たいへんなんです。
しかし、一方でそのような高級酒は、低温発酵をすることで、より美しい酒になりますので、
極寒期を狙って造られます。
下がりすぎないように、上がりすぎないように、実に繊細な操作が要求されるわけですね。

さて、私がメインで担当している、改良信交使用の40%精白の純米大吟醸酒ですが、
こちらは順調です。しかし、泡ありを使用したのですが、さすがに発酵温度が低すぎるのか、
ほとんど泡立ちませんで、残念。
泡消し機を用意したっていうのに—-
やや厚いメレンゲのような泡が立ちましたが、すぐに落ちてしまいました。

蔵元駄文-もろみ

ちなみに別のもろみですが、酒母で、泡が出た様子。横から撮影しました。こんな風に、
ごっつい泡がばんばん立ち上がってくるのを期待したのですが。

蔵元駄文-泡


さて、他、杜氏と副杜氏の担当の純米大吟醸も順調にすすんでいます。
杜氏の純米大吟醸は、かな~~り、抑えめに持っていっていまして、
見ている方はややハラハラするくらい。しかし香りも良く、味もキレイです。
無事に完成すれば、いったいどんな出来になるのか期待大です。

そして副杜氏のもろみは、安全な持って行き方を心がけているようで、間違いのない
酒質になること請け合いです。あと一週間以内に完成になるでしょう。

さて、今晩から明日にかけてはこの冬最大の降雪量が見込まれるということ。
これ以上、風邪ひきもろみが続出しませんように—–

ではでは!

蔵元駄文-杜氏