i-phoneはすごいですね

酒とは関係ないですが、i-phoneというのはすごいですね。

疲れと風邪の熱からか、
「ストリートファイター4」のアプリケーションをさっき、
i-tunesからダウンロードしましたが、
グラフィックから音楽からとてつもない出来で、
これはPSPもDS-iも、もしかして、いらない?? なんて思うくらいでした。

(「ファイナルファンタジー」があるのにも驚きましたが、どう考えてもRPGは、
時間的に無理です—-残念)

ちなみに、私は高三の時に、アップルコンピュータを買いました。
power PC 7500とかいうヤツでした。
なぜだかわかりませんが、ウィンドウズは微妙につまらない感じがしました。
それから何台も乗り換えましたが、全部アップルコンピュータ、マッキントッシュです。

当時は、よく人に、「なんであんな潰れそうな会社のものを買うんだ? しかもなんで
あんなに高いんだ? 買い替えるならウィンドウズにしろ」と言われました。
i-podも、初代モデルを買いました。
「わざわざなんであんなハードディスクを持ち歩くんだ、
1000曲も入るって何の意味があるんだ? いますぐMDにしろ」という論調のころで、
実際、みんなMDを持ち歩いていました。

特に私が、アップルに出会った頃、アップル社は、創業者がいなくなって最悪な時期でした。
創業者のスティーブ・ジョブスは、かんしゃく持ちで、神がかったヒッピーで、
芸術家肌という、まあ、つきあうには大変な人のようで、会社の景気が良くなると、
疎まれて追い出されてしまったわけです。
それからは、平凡な経営陣がアップルを運営してましたが、
おかげでアップルは、つぶれる寸前までになりました。

そういう頃に私はアップルコンピューターに出会いました。
実際、過去の輝きが鈍く残っているだけで、
圧倒的な魅力はすでに失われていた時期でした。
それでも、アップルコンピューターには、ひっかかるものがあったのでしょう。

創業者は、アップルを追われた後、持ち前の強力な指導力を発揮し、
「ピクサー」という会社を造って、映画「ファインディング・ニモ」で大当たり、
再びアメリカ有数の大金持ちに。
そこで、アップルに戻ってきて、
i-mac
i-book
i-tune
i-pod
i-phone
やらやらと魅力的なものを造って、再びアップルをよみがえらせました。

アップルが素晴らしいところは、
マーケティング理論のみで、会社を運営しないことです。

スーパーヒッピーのスティーブ・ジョブスが、
彼の脳内妄想である「デジタル・ユートピア」を達成することこそがアップルの経営目的であり、
その珍道中こそが、アップルの経営の軌跡です(いいすぎか?)。



単に、「理想」を現実化すれば「新製品」ですが、
彼は、「理想郷」を現実化するので、「新しい市場」までができてしまいます。

結果として、「マーケット」の「ニーズ」などは、あんまり意に介さずに、
むしろ「ニーズ」を生み出す「マーケット」そのものを産み落としているようにすら見えます。

i-phoneで使える膨大なアプリケーションは、高度なものからテキトーなものまで、
企業から個人レベルまで、世界中で造られてます。
i-phoneがあるから、i-tunesがあるから、新しいグローバルな商売が生まれました。
あのソフトやハードのおかげで、国境を超えて才能を発揮し、成功したものは
少なくないでしょう。そして、前代未聞の、新しい楽しみを世界中の人が享受することもできました。

こうした業績を思うと、i-podが出れば似たようなもの、
i-phoneが出れば似たようなものと後追いの似たような製品ばかり出す日本企業は、
志が低すぎるような気がします。
「i-podみたいなのが売れている」などというマーケット分析をして、
「ニーズ」とやらをとらえたつもりなのでしょうか?
それでは、あまりに貧困な精神と言わざるを得ません。

日本酒も、お客様のニーズを考えれば考えるほど、つまらなくなっていく例があります。
良い例が、「女性向き」のお酒。中途半端なマーケティングといえばそれまでですが、
ほとんどのこういう代物は、おっさんの(私も35歳。そうれに相当しますが—)
妄想的固定観念の産物でしかなく、ほぼヒットしないようですね。

それよりも、この日本酒業界は、
もはや、細かいニーズとか言っている状況ではないような気すらします。

焼酎業界が、かつて「本格焼酎」という新たな市場を
どかんと提示したくらいの行動が必要なのでは?と思います。

新しい市場を生み出すような、新しい概念。
今生まれつつある新世代の日本酒をカテゴライズするような、新しい行動。
伝統産業であるこの業界にこそ、早急に、必要なのかもしれないといつも思います。