昨日は雨降りのなか、
大潟村で県立大学が栽培している酒米「あきた酒こまち」の生育調査へ。
ここのところは、高温多湿な状態が続いて、稲の背丈がやや伸びているよう。
こういう状態があまりにも長く続くと、刈り取り前に「倒伏」(稲が伸びすぎて自分を
支えられなくなり、風や雨等で簡単に倒れてしまい、刈取りが難しくなったり、
できなくなったりすること)が起きてしまいます。
県大の大潟村フィールドでの、酒こまち栽培は、初の試み。
酒造好適米は、一般の飯米よりも、ずっと背丈が高くなるので、栽培難易度はたいへん高いのですが、
県立大学の技術で、うまくクリアしてもらいたいものです。
たんぼを覗き込むと、小さなカエルがいっぱい。
空にはツバメが飛んでいます。
天気がよかったら、自然と戯れるには最高のシチュエーションですね。
(写真内、どこかに蛙がいますが—-わかるかな?)
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今回、秋田県立大学で「酒こまち」を栽培しはじめた、その大きな目的は、
応用生物科学科 醸造学講座の生徒が、醸造の学習の一環として、米造りを学ぶという点にあります。
実は、米の研究やそれにまつわる栽培実習は、主に別の学科で行っていたため、
今まで、応用生物科学科では、学ぶ機会がなかったのです。
それが、県立大学開発酒「究(きわむ)」のプロジェクトが進展してゆくにつれて、
「どうせなら、稲作から手がけ、トータルで酒造りを学ぼう!」という
話になったのです。
冷静に考えてみれば、酒蔵に勤める本職の造り手だって、きちんと酒造好適米を
造ったことのある人は、少なくなってきています。
(蔵人集団は、基本的に農家なのですが、その蔵人集団自体が、高齢化してしまって
少なくなりました。
あと、たんぼを持っていても、酒米まではやらない人も多かったり。
自分で食べる飯米だけ造るとかは多いみたいですが)
そういう意味では、酒造りを学び始める学生が、そのはじめに、米造り、しかも、
酒米造りを学ぶということは、たいへん、素晴らしい事です。
こんなに本格的に、酒造に向き合っている学生たちなんて、
(農大以外には?)滅多にいないことでしょう!
酒屋にとってはもちろんのこと、農業、他、発酵産業にとっても、こうした幅広い体験を
持った人材が増えてくれれば、こんなに嬉しいことはないと思います。
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と、立て札を見ると、こういう目的で栽培されていますというのがわかります
できあがった米は、そのまま学生達が参加する酒造りに用いられます。
我々も、米質と酒質との、大いに学ばさせてもらうことができて、
嬉しいことです。で、帰りには、県立大学フィールドセンターの直売所にて
トマトを買って帰りました。
すごい安く、甘みが強い、ハイレベルなトマトでした。