先日の土曜日、東京は西荻窪にある「三ツ矢酒店」にて、いつもお世話になっております漫画家高瀬斉先生による日本酒講義が開かれました。
今回は、私がゲスト参加ということで、発売前のお酒を持っていって、来場者の皆様に
利き酒をしてもらい、貴重な感想をいただくことができました。
結果としては、改良信交の純吟と、雄町の純吟が良かったですね。
どちらも、当社の一般的な純吟よりも、個性的であることを目指した設計の、
特殊モノです。「やまユ」として出る事になるでしょうか。
あとは、「佐藤卯兵衛」も相変わらず評価が高く、
面白いところでは、75%精白とやや低精白の純米が、評判良かったです。
とはいえ、振り返ってみますと、
今年の造りは、思うようにいかないところも多く、
まだまだ造り手の技量/仕事の手際、また蔵の設備に関しても、
足りないところが多すぎると痛感した年でした。
ということで、
もっと理想の酒造りに近づくために、現在、蔵の改装を行っています。
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これは、私が帰郷した年までの「メイン蔵」であった、三号蔵と呼ばれるところです。
広々としており、仕込みにはもっとも向いている、素晴らしい蔵です。
ここには、やや大きめの仕込みタンクが入っていたのですが、
冷却能力に乏しい単なるホーロータンクのため、
ここ2年ばかり使わなくなってしまったので、現在、中をからっぽにしているところです。
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これは20年以上前に導入した「中立円盤型製麹機(ちゅうりつ・えんばんがた・せいきくき)」
というものです。
秋田県の出荷量が最大だった頃に、入れた設備です。
このような円盤タイプの入れ物が、すぐ近くにもう一つあって、
(すなわち「床<とこ>」=一日目の麹の保管場所 & 「棚<たな>」=二日目の麹の生育場所)
と、2つ一組のセットで使います。
昔はこれで、ほとんどの麹を造ってたのですが、今や、小仕込みが多くなって、
こんなでかい製麹槽では、逆に麹がうまくできなくなりました。
ついに、この2年間、一度も使わないということになってしまい、
考えたすえ、もったいないのですが、
二つ一組の槽のうち、まずは「棚」と呼ばれるほうを、麹室からとっぱらうことになりました。
さようなら、ありがとう円盤・棚—–
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というような具合で、いろいろとモノをとっぱらったり
動かしたりと、酒造りが始まるまでも、蔵では忙しく仕事があるのでした。
ではでは。