ここ数日のこと

ごぶさたしておりました!
ここ数日は、出張といろいろな酒の会がありまして、
造りの前の勉強とPRの週でした。

蔵元駄文-稲刈

そろそろ稲刈りもクライマックスです。
刈り取りの時期に関しては、同業者とも話したのですが、
今年に限っては統一した見解はなく、やはり難しいということでした。
登熟を待っているうち、予想しなかった長雨にたたられ台無しになった田んぼもあるようで、もっとはやく刈ったほうがマシだったとおっしゃる蔵元もいたり—–
ただ、総じて、青米(未熟米)と、高温障害のため白っぽくなった米が混在する
のはどこも避けられないようで、2等米が例年よりも多くなってしまうだろう
という感じです。
酒造りも相当難儀する年になりそうです、やれやれ。


で、今週の月火と、私は出張しておりました。
醸造協会主催の技術セミナーでした。
ご存知、「常きげん」の杜氏で、今や日本酒のアイコンとも呼べる
農口杜氏。山廃純米大吟醸酒の造り方を、懇切に講義していただきました。

蔵元駄文-のぐちさん

そして、日本酒というジャンルを超えてブレイクし、日本酒業界そのものを牽引する
存在になりつつある、おなじみ「獺祭」の社長、桜井さん。
たいへん先進的な経営論を展開されて、参考になりました。
桜井社長は、その独創的な酒造観に基づいた経営で注目されておられますが、
酒造に関しても、酒質から設備まで、すべて自らの構想のもと、しきっておられます。
天才と呼ばれる所以です。
また、この「獺祭」さんは、当蔵の名物蔵人(?)津川と津田が、そのキャリアをスタートさせた
蔵でした。社長からは「どーなの、彼らがんばってる?」みたいに声をかけていただき光栄でした。

蔵元駄文-さくらいさん

で、その夜は、山口は「中島屋酒造場」(カネナカという生モト純米の銘柄が人気ですね)の
(まだ農大生の)若き次期蔵元さんと四谷で会食。
彼がおすすめの「酒徒庵」
というお店に行きました。
すごいレアなディスプレイ用空瓶!!

蔵元駄文-からびん

この冷蔵庫。奥も深くて、びーっちり酒が詰まっていて、いったいどのくらいあるのか、
よくわかりません。
いろいろ飲みましたが、
「屋守」と「相模灘」はやはり完成度が高く、個性もあって別格という感じでした。
蔵元駄文-れいぞうこ





で、帰ってきて翌日は、秋田の酒販店さんが開催した
お酒の会がありました。
出品の酒は、山形の十四代の酒がメイン。純米大吟醸、大吟醸、純吟数種類、純米—と、
蔵元や業界関係者でもなかなか飲めないようなラインナップ。
あとは、飛露喜、あぶくまなどなど、入手困難な逸品が並びます。
そこへ招待されたのが、ゆきの美人、一白水成、うち、というNEXT5の3人で、
地方銘酒と自分のところの酒を飲み比べ、またお客さんの反応を伺うこともできて、
たいへん有意義な会でした。

蔵元駄文-14だい

そして一昨日は、酒造組合主催の「秋田の酒を楽しむ会」。
10月1日、日本酒の日を前にした、「ひやおろしを楽しむ会」とでもいうものです。
蔵元駄文-秋田の会

秋田の蔵の大半が参加する会で、今年も大盛況。
なんと、酒こまち市販酒部門では、
福禄寿(一白水成)の「十五代彦兵衛 純米大吟醸」が選出されました!!
さすが、すごいですね~。

蔵元駄文-福禄寿

当蔵は、晴れの舞台なので、なかなか飲めない「ひやおろし」系の酒が必要ということだったので、
写真の酒をオンリストしました。が、すでに「陽乃鳥」以外は、発売前の「赤やまユ」も含めて
蔵内では(予約で)完売状態になってしまいました。生産数量が相当少ないので、こういうことに
なってしまい、申し訳ないです。
気に入ってくださった方、店頭にはまだあるので、お早めに!

蔵元駄文-ウチのブース


そして、その間も酒造りはどんどん進行中!
これは、酒母をタンクにおろしているところ。
今年から、ポンプを使わずに酒母をタンクに送れるようになりました。
写真のように、タンクを仕込み場にもってこられるようになったわけです。
衛生度もあがって、超ラッキー。

さてさて私もやっと蔵入りできる日も近いです。

蔵元駄文-酒母