広島の蔵元「神雷」の三輪さんに同行しての、蔵見学の様子のつづきです。
ご存知、「白瀑!」
自慢の「無農薬栽培米」の田んぼを前に、稲作の苦労を語りまくる、山本常務。
田んぼに入り、稲の生え際を見ると、スカスカ。
害虫や雑草にやられるわ、しかも栄養が少なくて、分けつも少ないので、
最終的な一反あたりの収量は、通常の田んぼの半分以下—–。
「そのかわり、過酷な条件で育てられた稲は、ピュアで頑丈で、劣化しにくい酒になるのでは
ないか」と山本さんは語ります。
私も無農薬の田んぼは、よく見るのですが、管理ができないと、
稲を植えているのか、雑草を植えているのかよくわからないような田んぼになります。
「来年は、5~6月あたりは、もっと雑草取りに専念しないとならないから、
営業は無理だなあ。ああ——」
と、山本さんは、遠いまなざしで刈り取り直前の無農薬田をみながら呟きました。
「わかりました、山本さん。来年は、ぜひ、私も雑草取りに参加させてください!」と、
私は、心の中で叫びました。
いや、すみません、今度発売する「無農薬純米 山本」と引き換えならやります!
お次に向かったのは、青森は西田酒造店さま。銘柄「喜久泉」。つまり「田酒」!!
(「田酒」は、西田酒造の純米酒部門の名前です)
私も地酒ファンとして、いつかは行ってみたいと思っていたお蔵さんです。
また興奮してしまい、門構えとか撮るの忘れました。
ああ、応接室の壁にかかっていた「田酒」という筆文字くらい撮れば良かったなあ。
杜氏の細川良浩さんの写真を撮るのも忘れました。
まったくブログのことは考えてませんでした—–申し訳ない。
↓ 「田酒」の高級酒が造られてる、小さめのタンク。最近の製品の「山田穂」「短棹渡舟」
とか、こういうところで仕込まれているんですね。蔵は、作業性も良く、めちゃくちゃ綺麗。
蔵元さんの意識が隅々まで行き届いているようで、歩くのも恐縮なくらいでした。
「田酒」さんは5年くらい前に、若手杜氏にチェンジしました。
どちらかと言えば、どっしりした、フルボディタイプの味わいで、
かつ熟成を売りにした酒質だったのに、
ここのところ、素晴らしくモダンなスタイルに変化しています。
新杜氏(5年もたてば、もう新ではない?)細川さんの、若い感性がほとばしっているのです。
かつてのピュアなイメージを損なわず、マニアックな世界だけに満足せずに、
自らを変化させてゆく、こうした点はたいへん共感しますし、当蔵は特に見習わないと
ならないなあ—-と思った次第です。
そして、最後に、↓ は、「白瀑」の山本さんの、新型トラックです。
このトラックには、荷台に、コロンビア空軍が払い下げたアメリカ製の
ジェットエンジンが積まれています。
白瀑酒造は、あまりにも僻地にあるので、どこへ移動するにも、相当な時間がかかります。
そこで昨年の利益をすべてつぎ込み、移動時間の短縮を目指してトラックを改造しました。
おかげで、秋田~東京間600kmも、2時間半で移動可能になりました。
いや、間違えました、
「田酒」さんから下取りした、米洗い機「スパイラル吟洗号」という醸造機器
を積んでいるだけでした。
ではでは。また。