このたびの大地震につきましては、
幸い、同じ東北の中では、秋田は被害が軽微だと認識しております。
さて、当蔵についても、問い合わせを多く頂きまして、心よりありがたく思います。
私自身は出張中で、そのまま交通機関が麻痺したため、
帰る事ができなくなりまして、現在はまだ東京におります。
京王プラザの42階で、卸会社さまの会議がありまして、
30蔵以上の蔵元さんと一緒におりました。
ちょうどコーヒーブレイク中に、今回の地震に見舞われましたが、
42階ですから、おそろしく揺れて、まったく生きた心地がしませんでした。
いきなり猛烈に揺れ出して、珈琲がこぼれまくり、グラスも割れたりしていました。
机の下に潜りましたが、四つん這いでも姿勢が保てず、吐き気が襲ってきました。
その後も、断続的に揺れが続きました。あまりに揺れるので、震度は7か、
あるいはもっとあったのではないかと錯覚しました。
結局、東京は震度5程度だと聞きましたが、高層ビルではそんなレベルとは
思えない揺れを体験しました。
(以下の動画は、3~4回目の余震の時、向かいにある都庁を移したものです。
2発目の地震の時、都庁はぐにゃぐにゃに揺れていてびっくりしました——。
この撮影時は、3~4回目の余震なので、いくらか揺れも弱まってきて、
私としても、いくぶん慣れた頃です。
ちなみに、むぎ焼酎「天盃」の蔵元、多田先輩と、実際の震度はどのくらいなのか
について、話しているところですね)
その後、会議は中断となり、解散。
新宿駅は、交通が麻痺したため、めちゃくちゃな混雑。みんなパニクってましたが、
いちばんうろたえている、あるいは、罵詈雑言を吐いたり、
悪態をついたりと自分勝手な行動をとっているのは、若者でもなく、
いい年下したおっさんが多かったのが印象的でした。
↓
ということで、昨日は空港に行ったものの、フライトはなし。
翌日の予約はすでに取れず、翌々日のしか取れませんでしたが、
やっと本日(月曜日)、秋田に戻る事ができます。
新幹線は当分動かないので、飛行機しか移動手段はないみたいですね。
鈴木杜氏が体を張って蔵の秩序を維持しておりますので、安心しておりましたが、
秋田と連絡が取れるようになってから、私がいただいた情報としては、
幸いのところ、人的被害は一切なく、社員は皆元気であるということでした。
ただし、瓶貯蔵中の一升瓶が150本以上、四合瓶についても
相当数に破損があったということです。
もっとも問題であったのは、停電と断水でありまして、
このため仕込み、上槽などの作業が停止せざるをえなくなったことでした。
それも昨日夜に解消したようで、ほっとしています。
以上、当蔵の現状でありますが、
宮城、福島ではたいへんな被害が出ておりまして、
どちらかというとそちらのほうが、心配な次第です。
特に塩釜の、「浦霞」「阿部勘」は特に親しいお蔵さんです。
「墨廼江」「日高見」も、昨年、見学させていただいた、尊敬するお蔵さんです。
「伯楽星」さんも昨年から仲良くさせてもらっていますし、胸が痛みます。
なんとか、どの蔵でも、蔵元以下、人的被害がないことを祈っています。
余震の可能性が高いため、秋田も気は抜けません。
当蔵でも、作業は最低限にして、しばらくは状況を見守ろうと思っております。
どうか皆様も、余震にはじゅうぶん気をつけてください。
まずはご連絡まで。
佐藤拝