改良信交40%の純米大吟醸。酵母は泡あり六号!
今はもろみになってますが、添仕込み後の添桶時代の姿はこれ—
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この後、仲仕込み、留仕込みを経て無事に、もろみとなりました。
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よく、どうして三段仕込をするのですか? と、見学の方から質問がございます。
本当に、一回で仕込めればこんなにいいことはないんですね。
ビールやワインは、一発で仕込みますね。(現在、ワインは培養酵母を使うことが普通に
なりましたので、酒母を造ることも多いですが)
しかし日本酒の場合、酒母を造った後、さらに麹と米と水を、
3回にもわけて投入するというのは、どう考えても大変—-。
なぜ三段仕込をするのかという理由ですが、
基本的には、段階的にかさまししてゆくことで、もろみの総量を増やし、
「一度に多くの酒を造る」ための技法です。
いきなりたくさんの物量を仕込むと、安全な醸造を遂行するに足る酵母の数や、雑菌を防ぐための
酸度が少なくなってしまうので、酵母の数や酸度をキープしながら、もろみを増やすという意味で
段階的に増量したわけです。
また、米の溶け具合や発酵の具合を調整したりして、酵母が発育/発酵しやすい環境を
造りやすく、結果的にたくさんのアルコール度を得ることもできると言われています。
なので、逆に言えば、常にじゅうぶんな酵母数と酸度をキープし、
糖化と発酵のバランスさえ取れれば、一段でも二段でもかまわないということになります。
そして、実際、そうなのです。
ただし、段数が少ないと、米の溶け方とアルコール生産のバランスをとるのが難しいですね。
一段仕込や二段仕込だと、酵母の増殖や発酵が強すぎたり、逆に弱すぎたりなど、
もろみ管理がピーキーになりがちなのです。
逆に段数が多ければ、微調整が効くので、安全性がまし、糖化と発酵のバランスが取りやすいです。
「添」が元気すぎれば、「仲」は抑える、とか、です。
もろみ管理を繊細に行いたければ、段数を増やしてもいいかもしれませんね。
とはいえ、当蔵も、江戸時代初期から続くこの三段仕込を毎日踏襲しています。
無論、この純米大吟醸も—-。
現在、4日目。やたらと元気すぎてちょっと抑え気味に運んでいます。
まだ泡は上がっておりません。
そして、こちらは別のお酒の「添」。
醸造学を学ぶことのできる、「さけのくに」秋田ならではの大学、
「秋田県立大学」と、当蔵が共同で開発/醸造するお酒です。
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昨年から、大潟村フィールドセンターで栽培された、酒こまちを使用し、
お米の管理から設計することが可能になり、手間ひまかけた米を用いての酒造りとなりました。
春から、米造りから県大の皆さんが携わっていた「究」。
ついに、仕込みが開始いたしました。
添が仕込まれている頃、同時に、学生達は、麹も造っております。
汗だくになりながら、引き込んだ蒸米を床もみ。
頃合いをはかって、麹菌の胞子をふりかけ—-と、副杜氏/麹屋の古関君と
ともに、びっちりと麹造りを堪能いたしました。
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当蔵に詰めかけた学生達は12~3人!
こんなにお酒に興味があるなんてびっくりです。
今年も、ぜひぜひ、彼らとこのお酒を成功させたいと思います。