さて、先日の話ですが、「一白水成」が特集されたテレビ番組—–
WOWWOWで放送した「銘酒誕生物語」—–の公開上映会が、
秋田ビューホテルの宴会場「ブーゲンビリア」の間で開かれ、全国津々浦々から、
実に280人以上もの「一白水成」ファンが集まりました。
社長の康衛さんが壇上に立つと、ひときわ高い黄色い歓声が上がりました。
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なんて、冗談で、280人には及ばず、8人の会でした!
しかし、熱い会でございました。
「一白水成」の登場する「銘酒誕生物語」(私の知る限り、過去最高の素晴らしい回でした)
を見ながら、ご存知「酒和从/しゅわっと(秋田の若手地酒専門店グループ)」&
「酒音/しゅおん(秋田の著名日本酒ファンの集まり)」
のメンバープラス、「ゆきの美人」&「一白水成」、さらには東京から駆けつけた、
我々がお世話になっているファンの方、などなど、というメンツで、最近の日本酒、
各蔵の新作を飲みました。おいしい酒ばっかりで、至福のときでありました。
(ゆきの美人&一白水成の、それぞれ大吟醸、純米大吟醸の、コンテスト出品ものの
袋吊りサンプルなどが—-)
さて、うちの純米大吟醸はというと、無事に搾りが終わって、すでに一週間が経過。
一昨日は、純米大吟醸酒の斗瓶の「澱引き」を行いました。
袋吊りした部分は、少量の澱が絡んでおります。
そこで、数日静かに静置しておき、澱を底に沈殿させた上で、
キレイな上澄みのみを、チューブにて吸引して、一升瓶に流し込むのです。
その後は、すぐに火入れ殺菌&急冷して、また冷蔵庫へ格納—-と相成るわけです。
昨年は、澱引き中についつい笑ってしまい、反対に空気を吹き込んで大失敗。
(ふつうありえません—-)
こうなると、せっかく澱が落ちたものが台無しで、いちからやりなおし。
でも、また澱引きを再開すれば、火入れ殺菌までの時間がのびてしまい、
その間に酒の香味の変質がどんどん進んでしまう(生酒なので酵素反応が進みます)ので、
酒の質はどんどん落ちてゆきます。
生酒期間に、甘みが増えるくらいは問題ないのですが(むしろ甘い方が有利)、
いわゆる「生老ね」がちょっとでも出たら、その酒は、コンテストでは100%受かりません。
*「生老ね」→イソバレルアルデヒドという香気成分。イソアミルアルコールというアルコール類が
変化してできる、青臭いような匂い。生酒特有の匂い。
上槽後、一週間以内に火入れしないと、この生老ねが発生してくるので、
事実上、かなり不利になってしまいます。
酵素反応は、マイナス5℃でも進行する、つまり「生老ね」は発生しますので、
冬場といえども、できるだけ温度が低い氷温庫に入れた上で、
できれば4~5日くらいでの火入れ、一般的には一週間以内の火入れ殺菌
が安全なんですね。コンテストでの利き酒は超シビアですから。
もちろん、市販に流通している生酒を出品しても500%落とされてしまいます。
澱引き失敗して、無理に淀んでいる酒を一升瓶に入れても無論ダメ。
も~~酒が粕臭くなって、問題外です。
(とにかく火入れして、その後、二回目の澱を引くなどのテクもありますが—)
昨年はそういうことで、私、悲惨な目にあいましたので、
今回は、杜氏にやってもらいました。
(実際、酒を吸引するときミスっても、澱が動いてしまい、ダメになるので
案外難しいんです。うちでは、チューブで吸引しているけど、
上澄みを安全に一升瓶に分けとるもっと簡単な方法もあったような気がしますが—)
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氷温庫の中なので、
めちゃくちゃ寒いです。
杜氏ありがとう—-
私、こういう細かい作業は思い切り向いてなく、ぼんやりしてすぐにミスったりするので、
細やかな配慮をするうちの鈴木杜氏におまかせすることが多いんですね—-。
感謝しています。
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さて、どんな出来になるのでしょうか?
香りは「かなり低い」「酢エチそーとー多い」by鈴木杜氏
で、がっくりですが、まあそういうもの。
古関副杜氏の、オール酒こまち35%と一緒に、
春の「秋田清酒鑑評会」には出してみますので、結果が楽しみですね。