御無沙汰しておりました—-。
先週は、連日の酒の会がありましたが、皆様にも楽しんでもらえたようで、
なによりです。
さて、今週末からは、はせがわ酒店×岡永 主催の
「SAKE COMPETETION 2012」も控えております。
みなさま振るってご参加ください。詳細は、前の記事をご参考に!
そういえば新酒鑑評会の詳細な結果が送られてきたのでした!
さて、今回の春の全国の鑑評会で、金賞を逃したものの、入賞に輝いた、
当蔵副杜氏の古関君の出品酒(酒こまち35%精白)、”オクトパス・ガーデン23BY”は、
は、どのような採点だったのでしょうか—
↓
「きょうかい6号」なんであたりまえですが、
カプロン酸エチル(パイナップルやデリシャスリンゴ様と形容される甘い香り。きょうかい16号以降の主要な吟醸香で、現代のコンテストでは隆盛の香り)
はほぼ出てなくって、指摘がありませんでした。
そのかわり、酢酸イソアミル(洋梨やバナナのような爽やかな香り。きょうかい酵母6、7、9号といった一桁酵母に特有な、クラシックな吟醸香)指摘がいっぱい。
味については苦み、渋みの指摘も微妙にありますが、まるい/なめらかという指摘が
多く、香味構成グラフでは「味の良さ」が高く突出していますね。
さて、実際の数値でも如実にあらわれていますね。
酢酸イソアミルが3ppm。平均よりかなり高く、
カプロン酸エチルは平均6.7のところ1.8ppm。
激低—。四分の一—。
一般的にはオフフレーバーと言われる酢酸エチルもあたりまえだけど、
他社の酒と比べると多いですね。
このくらいの量は私はむしろ爽快で好きなんですが。
結論としては、数値的には、あと一歩で、金賞というところでした。惜しい。
つまるところ、
「味はものすごーくいいけど、香りがコンテスト風でなくて浮いてるよね、うーん銀!!」
というところでしょうか。
とはいえ、ちょっと前なら、このような香りの酒は、はしにも棒にもひっかからなかった
はずです。市販酒は市販酒、コンテストはコンテスト、という確固とした境界が
ありましたので。
しかし、一桁台のクラシック酵母の酒が入賞したり、
場合によっては金賞をとったりしてもおかしくない傾向は、
ここ2~3年で徐々に出てきているようです。
このような、個性的な酒や、市販酒の延長の酒が認められるこの風潮は
どんどん強まるのでは? と思います。
当蔵としてはありがたいことです。
今回、古関君の「オクトパス・ガーデン」は、
最古の市販清酒酵母でも、当蔵の市販の酒の味でもなんとか闘える事を証明してくれました。
よく頑張りました。おめでとうございます!!
来年こそ、金賞を狙いましょう。
私はまたまた改良信交40%精白の、泡あり6号でトライしてみたいなあと思ってます。
(でも改良信交は、稀少なので来季は無理かなあ—)
ではまた!
追記:
そういえば忘れてましたが、このたびの「オクトパス・ガーデン」は純米です。
我々の出品酒バトルは「純米」が基本でしたので、書くのを忘れてました—。
基本的に、コンテスト用の酒は、「純米の部」などの冠がつかない限りは、
醸造用アルコールが添加された単なる「大吟醸」が主なのです。そちらのほうが
さっぱりして軽くなるので、たいへん有利になりますので。
とはいえ、別にアルコールを添加しない「純米大吟醸」を出品しても良いのです。
(必ずアル添しろという規定はないので)
秋田では、三軒が「純米」で出しました。
以下は「日本酒フェア」のパンフレットから。
今年は、山田錦以外の米を使うと、原料米の表記がなされるようになってます。
しかも、純米造りの場合は、「備考」欄に、そのように但し書きがされています。
素晴らしい事ですね。
ご覧下さい。
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当蔵と、天の戸さんが純米。
当蔵は入賞でしたが、「天の戸」さん(純米蔵ですものね)が、
「フル酒こまち」の純米大吟醸で金賞! おめでとうございます。
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そして「春霞」も純米大吟醸で、入賞。しかも、「春霞」さんは9号酵母。
さらに、地元の「美郷錦」!!
こちらも快挙ですね。おめでとうございます。
↓