9/7、青山CAY 「それはそれは楽しい日本酒の夜」ですが、
イーチケットの販売を無事終了致しました。
ちなみに、まだ当日券はいくらかございますので、買いそびれた方はチャンスが
ございます!
ただいま、「白瀑」山本さんから連絡がありまして、各部10名分ほど発券するということです。代金はプラス300円の4,300円になります。
申込みは青山CAYへ03-3498-5790まで!
さて、ここ数日は出張で東京におりますが、相変わらず秋田はむちゃくちゃ暑いようです。
先日は、沖縄より暑く、日本で一番暑い県だったということ—-。
今日は雨のようですが、東北は全体的にまだまだ日中30度以上が続く日がつづいています。
そのような状況下、先日、秋田市河辺へと「改良信交」「美郷錦」の田圃へと
行ってまいりました。
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手前側がやや黄色く、奥の区画がやや緑色なんですが、
手前がすでに刈り取りも近い食用米「あきたこまち」の区画。
そして、奥が「改良信交」。生育がゆっくり目で、刈り取りにはまだ時間がかかります。
相変わらず「改良信交」は背が高いです。
ちなみに「あきたこまち」はせいぜい腰のあたりしかありませんが、
「改良信交」は胸のあたりまで軽くあります。
さすが「亀の尾」(ご存知、東北の酒米の祖先。食べてもおいしいです)
の血を色濃くひいているだけあって、やっぱりそのくらい背丈が高い米なんです。
もちろん収量も低く、実に農家泣かせの米と言えます。
こういう米を見ますと、いかに現在の米が、造りやすいように改善された代物であるかが、
よくわかりますね。
とはいえ、今年に関しては悩みはもっと他のところにあります。
そう、暑すぎる。
農家さん曰く「やっぱり高温障害にはなってるだろう」とのこと。
高温障害というのは、稲がこれから実ろうとする時期に、気温が高すぎて、
米の品質が下がってしまうことをいいます。
高温で米がうまく育たず、割れてしまったり、
夜の温度が下がらないため、米の中に栄養が貯まらず、でんぷん質に乏しいスカスカの米(乳白米)になってしまうことです。
西日本に多く発生していたトラブルでしたが、最近は2年連続で、この東北地方も
高温障害に見舞われていました。
そういう米の食味は、個人的な感想としては、
適度なもっちり感が皆無で、噛み応え/舌触りともにひどくムラがあり、
「べたべた」な部分と「ぼさぼさ」の部分がごちゃごちゃに入り交じっているかの
ような嫌な感覚—-。
高温障害の年は、日本人としてまる一年、憂鬱にならざるを得ません。
この際、糖質カットダイエットに走る人が続出する勢いです。
特に最悪だったのは22By。一般食用米も酷かったですが、酒米も輪をかけてひどい
有様でした。あまりに溶けない。いや溶けないというか、溶ける部分
(でんぷん)がそもそも少ないので、何をやってもうまくいかない。
四苦八苦して、多くの蔵では例年よりも、仕込みに加える水の量を少なく調整したり、
様々な方法で乗り切りました。
22Byに続き、昨季の23Byについても(それほど悪くないけれど)やはり
高温障害の傾向がありました。
そして、この24By—-。
また嫌な予感が—-。
そろそろ、造りの方でも対策を練らないとなりませんね。
さて、今年は結構、他蔵の見学に行きました。
まず、酒造組合の若手で構成される「醸友会」の視察。
この毎年恒例の、他県の見学旅行では今年は、静岡~愛知へ参りました。
私としては二回目の訪問となる「醸し人九平次」さん。
若い蔵人達が一生懸命、掃除中。丁寧な造りが伺える、さすがの姿勢と佇まいでした。
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次期当主の土井さんと仲良くさせていただいてます、「開運」さん。
伝統ある蔵の威容と、また噂に違わぬ、素晴らしい設備の数々を堪能させていただきました。
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酒にハマるきっかけになりました「磯自慢」さん。
お伊勢参りならぬ、お磯参りをして来ました。当主の酒造りの思想が隅々まで
反映された、まさに酒造要塞とでもいうべき完璧な蔵に、圧倒されました。
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それから一昨日は、神奈川「天青」さんに行って参りました。
「天青」さんでは、ビール醸造所やパン製造所、イタリアンから和食レストランまでを保有し、
発酵文化のテーマパークのような取り組みを行っております。
たいへんうらやましい環境でした。
また、発酵全般に知識が豊富な杜氏の五十嵐さんと、延々と醸造技術について
語り合う事ができまして、大変楽しいひとときを過ごすことができました。
ありがとうございました。
(あ、高温障害対策の話もしておけば良かった—-)
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では、また次回!