もろもろのご報告です!

いやあ、まずいまずい!
かなりブログを書く期間が開いてしまいましてすみません。
そんなこんなで、寒さもどんどん増してまいりました。
寒くなるに連れて、造りは順調(?)に進んでおります。

しかし、ご報告することが山ほど降り積もっております—–。
まずは相当前のことになりますが、毎年恒例。
国税庁仙台局が主催いたします「東北清酒鑑評会」が、仙台にて行われました。
さてさて、私も早速行ってまいりました!


↓  の写真は、吟醸の部の写真でございます。「佐藤卯兵衛」という当蔵の当主の名前を
冠したお酒(の県内版)が二本映っております。

向かって左が、改良信交40%磨きの純米大吟醸。
(私が単独醸造しました~。泡ありの六号酵母使用。以前のブログで造りを追っかけてます)。

写真向かって右は、酒こまち40%磨きの純米大吟醸(うちの鈴木杜氏の単独醸造)。

ひと蔵あたり、2点まで出品可能で、いやあ、有り難いことに、両方とも金の
首掛けがかかっておりますとおり、優等賞でした、ほっ。

(通常、吟醸の部はアル添大吟醸が出品されるんですが、出品規定には精米歩合しか
書いていないので、純米大吟醸でも出品が可能なんで出してます)

蔵元駄文-東北1




↓   の写真、純米の部は各蔵一点のみの出品なんですが、そんないろいろと酒がないので、
上記の吟醸の部に出しました「改良信交」40%磨きの純米大吟醸をそのまま出品し、
これも優等賞をいただきまして有り難いことでございました—–。

いやー。今回は、なんとも良かったです。秋田県品評会では、ダメでして、がっかり
してたんですよね。
いつも言われることですが、秋田県と東北では、傾向がまったく違うみたいです。

うちの酒は、6号酵母なので、どことなくセメダインぽい、昔ながらの吟醸香しか出ません。
あと、コンテストに「改良信交」などという、今は廃れた東北の地米を使うものは
誰も使いません。普通は「山田錦」でしょう。

香りも味も独特なので、たぶん利き酒した人は、この酒が一般的なコンテスト
向きの酒でない事がわかることはもちろん、分かる人には、うちの酒だということもわかったん
ではないかなあ——-

ともあれ。
毎年のトライではありましたが、6号酵母と県産米のみの使用でオール純米酒で、
出品したすべてが入賞いたしまして、23Byも優秀の美を飾ることができました!
ありがとうございます!!


蔵元駄文-東北2



そして、先日は、大阪にて、
「大阪大学総合学術博物館 創立10周年記念 第15回企画展
  ものづくり 上方“酒”ばなし」
―先駆・革新の系譜と大阪高工醸造科―
会  期:2012年10月27日(土)~2013年 1月19日(土)
       10:30~17:00 入場無料
       
という催しに行ってまいりました。まだやってますので、関西圏の皆様、
どうぞお時間がありましたらお出でくださいませ。

さて、11/24には、ちょうど、総合学術博物館の創立10周年として、
記念特別企画 「酒ヲ愛デ、文華ニ酔フ~絵に酔い、酒に酔い、音に酔い~」
という講演会、雅楽演奏会、試飲会が開催されましたので、
私も駆けつけて、お酒を振る舞って参ったわけでございます。

こちら、総合学術博物館の外観でございます。

蔵元駄文-大阪1


展示会の会場でございます。
写真撮影禁止のため、ここまでしか写せませんでした!!
中身は実際にお越しいただきご覧下さい。

蔵元駄文-入り口

さて、この企画展は、日本酒の生まれ育った、西日本をメインの舞台とし、
学術的な側面から、酒文化の発展を追ったものでございます。

奈良の僧坊酒、菩提モトでの酒造りなどが発案され、日本酒の原型が生まれました—-。
それが次第に洗練され、ついに灘~伏見にて三段仕込や生モトという、
現代の日本酒の基本的な製造プロセスが確立してゆくさまが、貴重な
資料とともに、語られます。

そして、この灘・伏見という酒造りのメッカにもっとも近い帝国大学として、
この大阪大学(かつての大阪工業高等学校)が、
官民の優れた人材を育成/輩出する機関となっていた経緯が詳しく解説されていました。
当時は国税の大部分を占めていた重要な産業である酒造業のさらなる発展のため、
大阪大学は多大な貢献をしたのです。

ニッカウヰスキーの創始者、竹鶴政孝氏が大きくフィーチュアーされているほか、
我が秋田県にまつわる技師たちの活躍もしっかりと展示されていて、
非常に感銘を受けました。

まず登場するのは、吟醸造りの提唱者の再先鋒にして、当代随一の天才技師、
秋田酒の恩人と言われる大人物、花岡正庸(はなおか まさつね)先生。
その弟子であった、小穴富司雄(おあな ふじお)先生。
そしてうちの先々代、
また秋田流生モトの創始者である「太平山」の小玉健吉(こだま けんきち)先生などの
業績が、詳しくパネルで解説されておりました。


そして酒の会では、先々代の名前が入った酒を持ってきまして、
振る舞わせていただきました。

蔵元駄文-酒の会


大変、勉強になる時間を過ごさせていただきました。
さあ、酒造りもそろそろ本番です。
すでにいくつか試行錯誤の結果、冷や汗が出るようなシーンがございましたが
なんのその! スロースターターなんで勘弁願います。

皆様から得た励ましを糧に、当蔵は、今年も頑張ります。

ps. NEXT5 ”ECHO” は、相当順調に進んでおります。すぐに
近況を取り上げますので、少々お待ちください—–