昨日は、平成21BY「全国新酒鑑評会」出品酒・品質評価会
が開かれました。
これは、広島で行われている、鑑評会の「決審」にあわせて、
実際の出品酒とまったく同じ酒を利き酒するというものです。
酒類総合研究所で保管されているのと、同条件(15℃程度)で貯蔵した酒を用いるため、
ここで下された評価は、広島での実際の結果と相当な相関があるということです。
評価を行うのは、酒造組合酒造技術研究委員のメンバー。
NEXT5 のメンツでは、
技術研究委員長である「ゆきの美人」の小林さんを筆頭に
「一白水成」の渡邉康衛くん、そして私が審査員に入っています。
で、32点の出品がありました。
審査員は、1~3のポイントをつけます。
1=たぶん金賞
2=たぶん銀賞
3=たぶん選外
という評価になります。
↑(これが審査用紙。こうしてみなで点数をつけ、審査します)
1.8以下の得点(低いほど優良)であれば、金賞を穫る確率が8割以上とのことでした。
が、当蔵の点数は——-
1.93。
点数的には、ちょうど真ん中、あるいは真ん中よりちょい下。
ヒジョーに微妙—-。運が良ければ金賞か、というような判定でした。
ただし、本番の新酒鑑評会は、
第一部 「山田錦以外」の米が主体(50%以上)で使われている酒
第二部 「山田錦」が主体で使われている酒
というふうに、ふたつに分かれています。
やはり、山田錦主体の第二部のほうが、出品数が多く、
そのため競争率が高く、難しいです。
一方、この評価会は、
原料米については関係なく評価してます。
当蔵は、酒こまち100%の酒を出しましたので、
山田錦の1部よりは、やや競争率が低い2部に出品することになります。
このため、ちょっと望みはあるか? というところです。
頑張って、いい成績を残して、秋田県の受賞率を上げたいものです。
(昨年は、あれこれ頑張ったものの残念ながら、予選落ちしましたので—-)
さて、こうした利き酒会については、毎度のことですが
哀しいことに、また自分のところの酒がまったくわかりませんでした。
こういった酒は、非常に特徴的な数点をのぞけば、
プロでもないと、ほぼ見分けがつかないだろうと思います—-。
後で教えてもらって、
えっ! アレがうちの酒? という感じです。
純米で、六號系酵母を使ったのに!
(ちなみに、酒こまち100%使用で、アル添なし。
酵母は、ブレンドです。
秋田県立大学が選抜した新六號酵母(通称『究<きわむ>』酵母)をベースに、
私が酒類総合研究所で研究生として在籍していた時に選抜した、
ごついリンゴ様の香り<カプロン酸エチル>を出しまくる
変異型の六号、通称「廣島六號」を、等配合で混ぜてます。
結局、香りは、控えめながらも華やかなものになり、
じゅうぶん戦えるくらいの吟醸香をまといましたが、
いつもの六号とは似ても似つかぬものになりました—-)
純米で金を穫るため、アル添した酒以上に美麗な酒質にしようと、
相当考え抜いた配合にしたので、そういう意味では、まったくコンセプト通り。
結果的にはうまくいったと言えるのですが、
ある意味、自分のところの酒がわからないほど、
他の酒に溶け込んでしまったという点では、
残念な気持ちも。
とはいえ、なんと私、自分のところの酒に、評点1をつけていました。
よくわからないなりに、本人が好きな味だったわけです。
本番で落選しようが、これなら仕方ないことですよね。
ということで、もう最後の発表を待つばかり。
みなさんには、我々酒屋が、新酒鑑評会についてどれだけ
労力を注いでいるのかを、ほんの少しでも理解していただけたか
と思います。総括はまたの機会に譲ることとします。
その前に、実際の結果発表は、24日の月曜日(だっけ?)。
どうなることやらです。