きき酒会

昨日は、「きき酒会」でした。

こないだ終了しました直近の酒造期に、我が社で醸造したお酒を、
他のお蔵さんのお酒と、銘柄がわらかないように混ぜて、利き酒いたしました。

で、また、いろいろと買い込みました。
バリバリ、ブレイク中の「鍋島」さん、安定した人気の「鶴齢」さんとか。
定番のアレもコレも。幸せですねえ。

というわけで、半分は当蔵、半分は当蔵以外の製品で、
計35種類の特別純米~純米大吟醸でした。

もちろんブラインドでやるので、どの酒がどこの蔵の酒かは、
利き酒しないとわかりません。
いや、利き酒しても、それが自社の酒なのかどうか、
ものによっては、なかなかわかりにくいです。

日本酒の基本的製法、生モトor速醸+三段仕込みというのは、
素晴らしい、黄金比率のような完成度を誇る設計図です。
ただ、全国津々浦々で安全に酒が醸せるぶん、
出来上がりの酒の味わいに個性も出しにくいと私は思ってます。

意図的に個性を出そうと意識しない限り、
製法が安定してるだけ、なかなか、独自の味わいは出にくいです。

しかも、日本酒は、加工技術もいりいろと揃ってて、
それがほとんど、酒をキレイにする技術で、
原料米は削りまくるし、アル添するし、
貯蔵や、ろ過、火入れなどを経ると、さらに味が似てくる危険を
はらみます。

(日本酒には、確かに、ピンキリあります。大吟醸と普通酒では、天地の差があるように、
そういう味の違いは、誰にでもわかります。
ところが、どの蔵も、それぞれのアイテムのラインナップで、
ピン同士、キリ同士、そこそこ同士で、お互いの酒を比べると、まあ似ているものなのです)

ということで、単に、
原料米が違うから、水が違うから、精白が違うから、
まったく別の酒になるかというと、
「そうであったら、どれほど良かっただろうなあ」と思います。
そうしたら、市販酒だって、他社と競合することありません。
どこの蔵も、自分のところの酒に、勝手に生まれてくるであろう
唯一無二の個性をもって、棲み分けられたでしょう。

しかし、あまりそうなってないようです—–
ということで、当蔵は、正道の酒ばかり造るのは、
それだけでは、逆に業界のためにならないのでは、と考えています。

伝統について、よく学べば学ぶほど、誰しも、先駆者
(ほとんどが当時は異端者でありました)
のように、日本酒の進化に貢献しなくてはならないと痛切に思うはずです。
「生モト」あるいは「吟醸」のように、酒造技術の極北によってのみ生まれる、
新たな日本酒が今ほど必要とされているときはないでしょう。

ですので、当蔵も、いずれは何か、とんでもない酒を醸して日本酒に貢献せん!
と無謀なことを夢見て、
失敗する事を前提とした酒をいくつか造ってます。
はじめのうちは万人受けしなくてもいい、別にたいして売れなくてもいい、
ただ、好きな人にだけ届いてほしい、そういう実験的な酒をいくつか造ってます。

今回の利き酒大会では、そういった特異な酒たちも、
なぜだか?? けっこうな高得点を獲得。
これはすごい—-って、我々、造り手である製造部中心の、
ブラインドテイスティングだから、当たり前なんでしょうね?

ということで、もっと客観的な市場調査も、行っていかねばなぁ、
と、いつも思っている次第です。
もし、皆様も、当社の酒を飲まれて、何かご感想がございましたら、遠慮なくお願いします~。
ああいうのが欲しいとか、こういうのが欲しいとか、
もっとあーしろ、こーしろ、意見をいただきたいです。
商品造りに反映させて戴きたく思います。

宛先は、
info



aramasa.jp

の間に、@を入れてくださると、メアドが完成いたします。
(スパムメール対策でした—–)
ではでは。