大変。朝6時台から、当蔵の鈴木隆杜氏にトラックを運転してもらって(私はマニュアルの
運転を忘れてしまっているので——)、
一路、「春霞」のある六郷美郷町へ。
![蔵元駄文-水採取](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/c6/f5/j/t02200293_0800106710858914148.jpg)
朝早くから、栗林さんは、仕込みにてんてこまい。
忙しい最中、用意してもらった水を、無事、タンクに回収。
間近に迫る三段仕込みのため、
栗林さんの自慢の、というか秋田が誇る、「六郷の地下水」を手に入れたわけです。
栗林さん自身の登場は、最終日の17日。
超重要な留の仕込みを、原料処理の渡邉康衛くんと協力して
仕留めていただきます。
ちなみに、下の写真は「春霞」名物の「 キノコ 甑<こしき>」(勝手に名付けました)。
相当な圧力で蒸し上げ、ぱらりとした粒立ちの良い蒸米をゲットする荒技です。
これは「春霞」ならではのお家芸(?)。
以前、当蔵で、かなり圧を上げたときは、布がぶっとんだことがありました。
どこでもできる技ではないと思います。
↓
![蔵元駄文-春霞名物キノコ釜](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/a6/d2/j/t02200293_0800106710858931620.jpg)
水を積んで蔵に戻ると、麹造りは、まもなく第二日目の「棚仕事」へと突入。
麹造りのおさらいですが、
種を切って、密閉/保湿し、蒸米に麹菌を根付かせる一日目=「床」。
小さな容器に盛り分けて、強く乾燥させ、菌糸の成長を抑制しつつ、酵素をバランス良く
産生させる第二日目以降=「棚」にわけられます。
昨日にひきつづき、麹担当の「白瀑」山本友文さんがリーダーで、
私&当蔵の副杜氏兼麹師の古関くんが、サポート。
そして、「ゆきの美人」小林忠彦さんが、監修(?)役。
以下の写真は真夜中の作業前の様子ですね。
![蔵元駄文-棚仕事](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/fc/d7/j/t02200146_0800053210858914147.jpg)
山本さんは、当蔵の休憩室に寝泊まりして、3時間おきに、麹を見回り。
適度なタイミングで、乾燥させるための「仲」「仕舞」などの処理を行います。
疲れはピークですが、夜を徹して、麹をチェック&コントロールしています。
「天才的な麹を造る」という噂の、山本さん。
私も、その麹テクを存分に学ばせていただきました。
出来上がったのは、噂に違わず美しく、パワフルな、「仲」「留」仕込み用の麹。
しかも、初めての麹室で、ここまでのものに仕上げるとは、驚きました。
さすが、山本さん、センスが良いだけでなく、基本がしっかりできてらっしゃる、と思いました。
この共同醸造酒の目的は、メンバーの技術交流が第一義です。
お互い、こうして、実際に技術を披露することで、
いっそう深い技術交流ができたことは、なによりのことでした。
加えて、こうした良い麹ができれば、
良い酒ができるのは決まったようなもの(?)。ほっと一息です。
![蔵元駄文-夜間仕事](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/5b/ed/j/t02200331_0399060010858914146.jpg)
そして、今日。朝から、添仕込みの準備です。やっと、もろみ担当の私の出番です。
うちの杜氏に手伝ってもらって(とういうか手伝ってもらってばかりですが—-)、
タンクを洗い、受け入れ準備。まずは、酒母を汲んで、中に投入します。
![蔵元駄文-添桶洗い](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/80/fa/j/t02200165_0800060010858922606.jpg)
これが、水麹というものです。
酒母に、添用の麹、そして水を加えたものを指します。
![$蔵元駄文-水麹完成](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/24/a1/j/t02200165_0800060010858931622.jpg)
さて、受け入れ完了。
あとは、蒸米を入れれば、三段仕込みの一段目である
「添」仕込みの完成となります。
お昼すぎ、蒸し上がった米を、所定の温度まで冷やします。
「添」仕込み後の温度が、12℃であるのが理想なので、
蒸米は32℃くらいまで冷まします。
![蔵元駄文-添掛放冷](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/49/58/j/t02200165_0800060010858931619.jpg)
添温度、12.5℃!
ちょっと高いので、室温を少々低めに設定し、「添」仕込み完成!!
![蔵元駄文-水麹完了](https://aramasa.info/wp_img/20101114/16/yama-u-suke/e6/91/j/t02200293_0800106710858922605.jpg)
お疲れさまでした!