ごぶさたしておりました—–

まったくブログを更新できずすみませんでした。

おっと、いつの間にか、「Beginning 2010」もリリースされていましたね!
お飲みになられました方も少なくないのでは、と思いますけれど、
これ、今回の醸造に携わったどこの蔵の味とも、かけ離れていて、
我ながら驚きましたね~。
それでいて、はじめの理想的なポイントに着地したといえるお酒になりましたので、
万事オッケー、結果オーライ!というところでしょうか。

味わいは本当に不思議ですね—–

メインに指導してくれた「ゆきの美人」の味でもない。

いわゆる当蔵の味でも、全然ありません。
( Beginning 2010は、「六号酵母」を使用してるんですが、
いつもの当社の酒より、ずっと濃密な香りがしますし、やはり甘さの違いも目立ちます)

香りがいつもの当蔵の酒より出ているからといって「一白水成」的なゴージャス感ではないし—-

水を提供してくれた「春霞」さんともタイプが違う。

個人的には、この軽快さと程よく丸い甘みは、若干「白瀑」さんのスタイルに近いものがあるのでは
と思わなくもないですが、むろん、「なんとなく感じさせる」程度のレベルです。



ともかく、この「Beginning 2010」——–
試行錯誤の連続でした。一時期はどうなることやら、と思いましたが、無事に発売できました。

技術を駆使し、同時にそれを磨きながら、発売日に合わせ、きちんと味のバランスを構築し尽くした、完成度の高い純吟になったと思います。

ぶっとんだ個性は、おのおのの蔵のメイン商品にまかせるとして、
「NEXT5」のスタートを飾るには、ぴったりのお酒になったのではないでしょうか?


さて、ここのところ、蔵で、どうも調子の悪いもろみが頻発して、
対策と改善に走り回っており、まったく何も出来ない状態でした。

私が、現場の状況やスキルを無視して、あまりに無理矢理なプランを
立てたのが、失敗の原因です——。本当に現場や関係者には申し訳ないです。

今年は、私自身、あれやこれやと造り以外に走り回る事が多く、
なかなかしっかりと造りに入れずに、現場を把握できていませんでした。
若手の造りになって、初年度は麹屋→ 去年はもろみ屋—- とやってきたので、
今年は酒母を担当するつもりでいたのに、今までは、なかなか現場に入れなかったわけです。

ところで、必要に迫られて、最近やっと一週間くらい前から、前任者から引き継いで、なんとかかんとか酒母の仕事のみ、こなしております。
そんなこんなで、馴れぬ仕事&その他の事務仕事に忙殺されていましたのですが、
一方で、蔵では、二年目を迎えました、「出品バトル酒」の製作がはじまっています。

一番手は、おなじみの副杜氏の古関弘(こせき ひろむ)の、
「オクトパスガーデン Ⅱ」 です!
昨年は悲惨なノンタイトルでしたが、心機一転、今年は配下に若手を揃えて
「美郷錦チーム」としてリベンジです! 秋田で最も高価な酒米である、「美郷錦」。
その40%精白を持って戦いに挑みます。

サポートは、当蔵で唯一の「根っからの理系」三野健太くん! 北海道出身!
酵母培養から高度分析まで、こみいった仕事を全部やってくれる職人気質の有望株です。

あと、秋田県立大学出身。やたら仕事ができる女の子、高橋はるかさん! 宮城出身!
三野くんに負けず劣らず、仕事が清潔で丁寧で精度が高いので、いきなりもろみの管理をやってもらってます。

写真にはいませんが、あとは伊勢俊介くん。彼は上槽係です。原料処理から二年連続で上槽係。
近年、地力をつけてきていて、古関くんも太鼓判を押すほど。
さらに徹底的に仕込んでもらえば万全。う~ん、来期以降、ぜひ酒母あたりを引き継いでもらおうかな?


蔵元駄文-チームはるか


あとは鈴木杜氏の率いる、本命「酒こまちチーム」!
私の率いるダークホース「美山錦チーム」。
(って、美山錦で勝てるのかよ、うちのチームは—–)
(って、まだ仕込配合も決めることができていませんよ—–)


ということで、クリスマスに飲もうかと思った酒も、
一切飲む事ができずに、えんえんと夜中まで事務仕事が続いています—–
でも、余裕!
(そういえば、年賀状も、やらないとなりませんよね—- 昨年私が頂いた方、
もし届かなくても辛抱強く待っていてください—-すみません)



蔵元駄文-最近の酒