出品バトル酒 報告10「留」

今日は「留」—–。
やっとこさ、三段仕込みが終了。といっても、まだもろみがスタートした初日でしか
ありません。これから、約30日の発酵が開始されます。

なのに、もう、酒母造りと麹造りで、精根尽き果て気味。
発酵期間が終了したとしても、その後には、もっとも気を使う「袋吊り」などの搾り作業や、
甘みを調整する「調熟」期間、その後の「瓶燗=火入れ殺菌」、適切な「冷蔵保管」などなどなど、
繊細な作業が目白押し。一瞬も気を抜けない日が、4~50日続くのです。
本当に日本酒造りとは、大変もいいところですね。

さて、仕込み待ちのタンクがふたつ。
左が「見えざるピンクのユニコーン Ⅱ α(アルファ)」
右が「Ω(オメガ)」

蔵元駄文-仕込み待ち


「α(アルファ)」は、高い酒母歩合・麹歩合が特徴なので、酸味と甘みが強いタイプ狙い。
通常の鑑評会的なスタイルではないですが、個人的には決して勝負にならない設計という
わけではないと思っています。
ド派手でグラマラスな、インパクトは最大級の酒(?)になればいいなあ—–ならないかなあ。

「Ω(オメガ)」は、15%と特定名称酒としては最低値の低い麹歩合が特徴。
ただし不足分の酵素は、麹を水に一晩漬けて抽出した自作の酵素液を使用して補充するという、
いにしえの「酵素法」を復活させてみました。苦みや雑味が指摘されやすい(?)「美山錦」
対策にと、導入した秘技です。昔の文献を見てやりましたが、
出汁かなんかのガラをとっているみたいで、料理気分。
あと、このもろみは、徹底的な低温発酵をしますので、
その酒質は、アルファとは対極のキレイ目のものになるでしょう。
以下、酵素を抽出中の画像。酵素を抽出し終わった麹のガラは、もろみに入れません。

さて、朝から、いつもしてない、わけのわからない細かい事前作業をいっぱいやっていると、
酒造りをしているのか、何をしているんだかよくわからなくなり、
なんだか、丹精こめて、お取り寄せスイーツを造る有名パティシェになった気分がしたのでした。



蔵元駄文-酵素液

仕込み温度は、6℃近辺と、ばっちり。
さて、あとはうまく私が誘導できるでしょうか?
不安ですが、ことしもまた、頑張ります。

蔵元駄文-仕込み後