みなさまあけましておめでとうございます!
もう一週間も更新できずにおりましたが、
本格的に酒母担当に入ってから、あっというまに日々が過ぎてしまいました。
県内、県外版の純米大吟醸「佐藤卯兵衛」、県立大学との共同醸造酒「究」、
改良信交の「桃やまユ」、美山錦の「青やまユ」と立て続けにビッグネームの
酒母の仕込みが連続。
明日は、「亜麻猫」の白麹酒母—–(一本目は、残念ながら、クオリティが
届かず、失敗しました。本当に痛い失敗でした—-。
このため、急遽の作り直しと相成ったわけです)
しじゅう重いものを持って歩くせいか、足に魚の目が2つも!
馴れない仕事で惨憺たる有様です。
さて、並行しまして、出品バトル酒も、私の組の「見えざるピンクのユニコーン」の
酒母が立ちました!
現在、「打瀬」といわれる冷却期間です。
上の写真は、3日前の、仕込み直後の様子です。
「酒母」とは、英語で書くと、
“fermentation starter”(ファーメンテーション スターター)。
「発酵開始装置」
とでもいうものです。
昔は、酒母というものは、もっとも大事な要素とされていました。
酒造りの中でも、もっとも高度な技術を要する部門でもあったのです。
空気や麹から由来する、優良な(蔵付き)酵母を、
うまく甘酒(=糖化液)の中に呼び込んで、それを、たくさんに増やし(純粋培養し)、
大きな仕込みでの発酵を行うことができるようにする、という役目だったのです。
まるで、魔法のようなことをやっていたわけですね。
今は、培養酵母というものがありますので、
酒母は、かつてほど難しいものでも、重要なものでもなくなってしまいました。
酒母を省略した仕込み方法なども、普通に行われているくらいです。
しかし、重要度が低くなってしまった今でも、
しっかりした酒母で育てられた酵母は、良い酒を生み出すということは
自明の理です。
雑菌や、野生酵母に侵された酒母では、とうてい良い酒は望めないのです。
さて、酒母の説明は次回以降も続けますので、お楽しみに。
他のチームの出品酒の酒母は、すでに完成間近。
向かって右が、鈴木隆杜氏の「梨花(りんか)Ⅱ」の酒母。
左は、古関副杜氏の「オクトパス・ガーデン Ⅱ」の酒母。
さすがに、なかなか良い酒母を造っていますよ!!
これは手強い!