「まんさくの花」見学

なんと、念願でした「まんさくの花」さんの蔵見学に行ってまいりました。
「まんさくの花」と言えば、秋田地酒ファンのみなさまはとうにご存知でしょう、
「雪の茅舎」(由利正宗)と並んで、高品質秋田地酒の二大看板とも言える銘醸蔵です。

佐藤社長が直々に、まずはじめに案内してくれましたのは、
とんでもないゴージャスな文庫蔵。
素晴らしい内装が施された、築100年以上という、大変、歴史的、文化的価値の高い蔵です。
シンガーソングライターの中西圭三さんが、この蔵に惚れ込み、何回も来てライブされたり、
昨日も、その業界では大変有名なパーカッショニストが、ライブをやったりしたそうです。
すごい。

蔵元駄文-内装

下の画像は、お宝が眠っているに違いない(?)、この蔵最奥の秘密の扉の前で
微笑む譲治社長です。うーん、当社にある蔵は、全部、仕込み蔵なので
こういうゴージャスな蔵って、はじめてみました。

蔵元駄文-文庫蔵

これは二階部分。見てください、このぶっとい梁—–。

蔵元駄文-ぶっとい梁

なんと、増田町には、こういうとんでもない華麗な文庫蔵を所有している家や店が
十数軒もあるらしいのです。町おこしに使ってもらいたいです。


さて、念願の「まんさくの花」の見学は、とても楽しいものでした。
まずは、和釜。いいなあ。


蔵元駄文-洗い場


「まんさくの花」といえば、素晴らしく高い品質で有名ですが、その安定性こそが
最も評価されるべき点だと思います。
私は、相当設備投資がされている蔵なのではと思っていましたが、
実にオーソドックスな造りに固執されており、基礎的技術と丁寧な仕込みが
その酒質をささえているんだと気づかされました。

並び称される「雪の茅舎」が、実に独自で奇抜・ミステリアスな製法ならびに品質を
誇るのに対し、「まんさくの花」は直球勝負の揺るぎない、美しい酒を醸す、
というイメージが強いのでは、と思います。
実際、蔵には、実直で勤勉な雰囲気がそこはとなく漂っており、
まさに酒の性格を反映しているのだなあという気にさせられました。

注目すべきところも多く、たとえば、酒母室の中に、
酒母用の道具のためだけの「洗い場」が設けられている。



蔵元駄文-酒母室洗い場

酒母は「純粋培養」が目的なので、雑菌などの汚染をできるだけ避けるため、
このような設計となっているのとのこと。
こうした「こだわり」が、随所にあるあたり、さすが銘醸蔵というにふさわしい趣でした。

そして、一升瓶10万本を低温貯蔵するという、瓶詰工場も見学。
どーん。壮観です。

蔵元駄文-10万本


で、その後は、譲治社長と、「まんさくの花」の—-いやさ、秋田清酒業界のホープである
若手技術者である庄司くんと会食をいたしました。
庄司くんは、仙台出身なのですが、酒が好きすぎて、なんと銀行員の仕事をやめて
「まんさくの花」の扉を叩いたという、半端ない日本酒マニアです。
そういえば、佐藤譲治社長も、前職は銀行員(しかも役員クラスの偉い方)でしたから、
これは、優秀な銀行員のコンビ。こんな息のあう社長と社員というのも、珍しいのでは
ないでしょうか? 「まんさくの花」というブランドから醸し出される、実直でインテリ的な
ムードは、このお二方の影響力が大なのだなあと、改めて感じました。



蔵元駄文-譲治&庄司

飲んだお酒は、まんさくの花「蔵囲」、「よーぐるしゅ」の葡萄味。
そして——新開発の—-低アル—発泡—おっとっと、ここから先は内緒です。
私もお酒を持って行きました。
県内限定発売の、副杜氏・古関弘作の出品バトル純米大吟醸「オクトパスガーデン」です。



蔵元駄文-新酒

今回も、いろいろと勉強させてもらいました。「まんさくの花」のみなさん、
ありがとうございました。