近況報告

さて、出品酒バトル最終話。

古関副杜氏の酒こまち35% VS 私の改良信交40%。
最終決戦の地、山形鑑評会での結果は—-?

古関くんの僅差での勝利!

酒こまち3.11点 
改良信交3.17点 

数が少ない方が評価が良いので、酒こまち35%の、純米大吟醸酒が、
広島の新酒鑑評会ゆきと相成りました。
おめでとうございます!!

結果としては、
酒こまち35%のほうが、香りの点で、一枚上手だったようです。
そもそも、今回の我々の出品酒は、味の面では、ほとんど悪い評価はありませんで、香りの点で
極端な評価をもらうことが多かったといえます。
勝負が、香りの評価となれば、必然的に、
酢酸エチル(爽快な香りだが、強くなると除光液を思わせる香り)が、低い方が有利となります。

ちなみに私の仕込みました「改良信交」の純米大吟醸は、
当蔵の通常酒で使用している酒母のスタイルやもろみ運びを、そのまんま踏襲しています。
ただし、この改良信交40%を仕込んだ時点ではスタイルとしてはまだ未完成で、
もろみの立ち上がりで、走りやすい欠点があり(現在はすでに修正済)、予想以上に
酢酸エチルが高くなってしまったところが悔やまれますね~~。

結果、香りでまさる酒こまち35%が支持を得ることになりました。
実に良い勝負でありました。
後はこの酒こまち35%が、広島の新酒鑑評会で、
どこまで闘ってくれるのか、たいへん期待大であります!

さて、我々の六号酵母使用の県産米純米大吟醸の、一般的評価についてですが、おまけに。
秋田や山形での評価について概観してみると、予想を覆して、各県から集まった醸造試験場の先生や、鑑定官の先生などは、これが、良い点をつけてくれているのでした。

香りについても、「酵母の特徴」として評価してくれる先生も少なくありませんでした。
「酢酸エチル」や「エステル」とだけの表現で切り捨てず、
比較的イメージの良い「酢酸イソアミル」の香りもピックアップしていただき、
これをして、「香味調和」と判断してくれたり。
案外、先生たちの評価は2~3点くらいに集中しているようでした。

しかしながら、面白いことに、香りの点を指摘して、
4点や5点などの「やや難あり」「難あり」といった辛い点数をつけているのは、
どちらかというと、同業者の蔵元の審査員のほうでありました。
これは、まったくもって不思議だなあと思いました。

てっきり、自分たちが提案していたスタイルは、
同業者にこそ支持を受けそうな(つまり市販酒的な)タイプと思ったのですが、
ことコンテストの審査において、同業者に対しては、逆の評価と出てしまいました。
これは、なぜなのでしょうか—–。理解不能でショックであります。

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蔵元駄文-伯楽星箱

さて、話は変わり、震災で大ダメージを受けながら、奇跡的な復活を遂げた
宮城のスーパースター「伯楽星」!

新蔵に移転する前、傾きかけた蔵の中で、日本全国の友情蔵の力を借りて酒造りが行われた、
古今東西・未曾有の超々高精白米(精米歩合7%)仕込みの「UNITE 311」が、ついに完成!!

蔵元駄文-箱内部1

無事「伯楽星」蔵元・新澤さんの元から、当蔵にも送られてまいりました。
ありがとうございます!

箱を上げると、裏表紙には、当蔵と私の名前も入っておりました。
もちろん、一緒に粕剝ぎを手伝いに行きました「一白水成」渡邉康衛君の名前も。
「伯楽星」の見事なる復活、ほんとうに嬉しく思います。
これからも快進撃を続けてください!

蔵元駄文-箱内部2



そして先日の当蔵のお話。
今年で四年目となる、秋田県立大学との共同醸造酒「究」のラベル貼り作業が行われました。
これは毎年恒例の行事で、米造り&酒造りに携わった学生のみなさんと、一緒にラベルを
貼りまして、発売日でもある県大の卒業式の日(3/22)に間に合うように、
製品の支度をいたしました。

蔵元駄文-ラベル貼り

実は、この「究」のレシピは、四年前のはじめての仕込みの時と、ほぼ変わっておりません。
このお酒は、当蔵が敬愛申し上げる岩野君夫(秋田県立大学名誉教授/元秋田醸造試験場場長)先生が設計されたものであります。
毎年、先生の新しい知見を取り込ませていただきますので、
細部のコントロールについては、岩野先生のご指導を受けて修正は致しますが、
基本的なラインはほぼ同一と言えます。
酒造りの黄金パターンともいえる設計を、学生たちとともに忠実に再現する作品、と言えるでしょう。

当蔵の一般市販酒の設計(三段仕込のバランス・もろみの温度経過)、そして
配合(原料米の組み合わせ)は、呆れる程めまぐるしく変わりますが、
こちら「究」の設計図は変更不可能であり、不変に近いものがあります。

しかしながら、初年度よりもどんどん洗練されているというのは、
原料処理や麹造り等の基礎的な技術力がボトムアップしているからなのでしょう。
今年もなかなかの出来になったと思います。

蔵元駄文-究完成



そして、また先日は、高校の先輩である「太平山」の小玉営業部長さんから、
太平山・ヤマキウ謹製=「秋田県味噌醤油品評会」知事賞受賞の、
超高級味噌をいただきました!



蔵元駄文-太平山味噌

早速、みそ汁にして食ってみましたが、これが圧倒的なコク・深み。
さすが知事賞味噌!!
そのまま食い続けていたいような、完成されたバランスです。

ちなみに味噌や醤油は、酒と違って、賞をとってもそれを謳ってはいけないんですって。
(なぜなんでしょうか—?)
そこで、この場で宣伝させてもらいますが、「太平山」つまり「ヤマキウ」さんの秋田味噌は、
知事賞をばんばんとっている最高の味噌でございます。
みなさん、地元の味噌と醤油を大事にしましょうね!


蔵元駄文-みそ汁

さて、まだまだネタがございます。
私としても、今回は、ここらへんにしておきたいのですが、
肝心なネタがありまして、ここでやめたら怒られます。



さて、3/31(SAT)開催の
NEXT5春のコレクション&立食パーティ
「FUSION」の最新ネタを披露いたします。


各蔵、とっておきの最新作を投入予定ですが、その一部をちらりと。

まずはみなさまお待ちかね。今年の酒質の評価も高い「一白水成」からは—–

純米大吟醸 美郷錦  
純米吟醸 愛山 なまざけ

と、一白水成の「愛山」が初見参! 
「美郷錦」の純米大吟醸も期待大ですね!
純米吟醸の「美郷錦」があれほどの完成度ですから、いったいどれほど旨いのやら?




そして盤石なる酒質にさらに磨きがかかる「ゆきの美人」!!!
昨年も大評判であった「愛山麹 生酒」の、新酒がついにお披露目となります。
リリース直後の「雄町 生酒」ももちろん投入。
コレは見逃せません。


当蔵はあいかわらずまだ決めていない!
しかしながら昨日リリースの「緑やまユ(美郷錦)」は投入予定。
ほかはどうしましょうか?
搾ったばっかりの生モト仕込み「亀の尾 純米大吟醸 なまざけ」
それとも、 「改良信交 純米大吟醸 火入れ」
(上述の出品モデルと同一もろみの酒ではあるが、圧搾機搾りの通常版) 
を投入しようか思案中。
あ、「紫八咫(むらさきやた)」の2年熟成&1年熟成もある!!
とにかく、乞うご期待!

ちなみに、会場のトラットリア・ヴィナッチャは広いスペースを持つレストランで、
二階建て。1F、2Fにどの蔵が配置されるかは、「白瀑」山本さんが、あみだくじにて決定!

蔵元駄文-あみだ山本

1Fは、一白水成&春霞&新政
2Fは、ゆきの美人&白瀑

と相成りました!

さて、話題盛りだくさんの、
NEXT5 スプリングコレクション「FUSION」。
@トラットリア・ヴィナッチャ 
秋田市大町3-1-6
(竿燈通りから川反通りにはいってすぐ。交番の隣)

一部は16:00~17:30
二部は18:00~19:30

入場料は2000円。素晴らしいイタリア料理が5品ほどついている、
ナイスな立食パーティでございます。

最新情報では、どうやらまだ、一部は席に余裕があるようです。
参加希望者は、できるだけお早めに、

「白瀑」山本合名会社

http://www.shirataki.net/

まで、ご連絡をお願い致します~。
(スパムメール防止のため、上記のサイトに移動して連絡先を確認ください。
予約につきましては、メールあるいは電話でお願い致します)

ではでは。