酒田&秋田持ち寄り会&秋田清酒鑑評会!

先日3/6は、東京にて、「秋田の酒利き酒会」&「秋田の酒を楽しむ会」が開かれました!
業者様&一般の秋田酒ファンの方にたくさんご来場いただきまして、まことにありがとうございます!
当蔵も、新作中心に今年前半の造りの成果を披露することができて、たいへんありがたい時間を
過ごすことができました。

さて、最近は、春の新酒鑑評会出品用のお酒を、事前の各種の地方コンテストに
出しています。

まずは山形・酒田の持ち寄り会に持って行きました。
これは秋田県の酒蔵も参加する評価会でございます。

こちらでの評価は—-
やはり今年からは、コンテストといえども、昔よくわからない頃に自社選抜した、
ガンガンにリンゴ様の香気成分が出るような株をブレンドせず、
市販酒同様にフツーの六号酵母で勝負に挑んでおりますので、厳しい闘いを強いられました。

あたりまえですが、コンテスト向きの香り(パイナップル・リンゴ様の香=カプロン酸エチル)
はほぼ酒から香らず、かわりに旧式の吟醸香しか出ないために、
いやがらせのような厳しい評価をいただきました。
順位では、予想していた通り、下から数番目という、酷い成績。

(でも、努力の賜物で、古関副杜氏の酒などには、
カプロン酸エチルが微妙に出ていました。数値で言うと、2.0ppmは出ました。
一般的な高香気性酵母の1/5程度ではありますが、よくやったと思います)

6、7、9号みたいな、一桁酵母の酒は、
「酢エチ」や「酢酸イソアミル」
(→本来、爽快な香りで吟醸香のひとつではあるが、強くなるとセメダイン/除光液的な
香りに感じられる)といった、「エステル」と言われる香りが目立ちます。

ちなみにこの酒田の持ち寄り会に行ってきたのは、うちの鈴木杜氏ですが、
やはりカプロン酸エチル高生産酵母をまったくブレンドしていない酒は、
あの場では、思いっきり浮いてしまうようで、
「うちの酒は異質で、一発でわかった」ということでした。
しかしながら、考えてみれば、別に「香りの質が違う」だけであり、
なぜこのようなコンテストに限って、「酢酸エチル」「酢酸イソアミル」が悪い評価になるのかは、疑問であります。食中酒としてはうってつけなんですが。

思うに、酒は本質的に嗜好品ですから、何かしらの基準やルールを無理にでも造って評価
する必要があるためなのかな、という気がしないでもありません。


それはさておき。
当蔵から持っていった酒は

・古関副杜氏の 酒こまち35% 純米大吟醸 袋吊り
・私の改良信交40% 純米大吟醸 袋吊り

です。
どちらも下から数えたほうが圧倒的に早い順位でしたが、なんと同着。
同点数の評価。面白いものでした。

(ちなみに鈴木杜氏の純米大吟醸は、たいへん良く仕上がっているのですが、
その酒質から、勝負の場を、秋のコンテストを目標とすることにいたしました。
春の勝負はちょいとお休みということでありますが、登場まではもうしばらく
お待ちください—-)


さて、その後。
秋田県醸造試験場にての、「事前持ち寄り会」では—-?

こちら秋田の会では、酒田方式(相当数の出品酒を、
先生達が一斉に利き酒して評点をつける)とは違い、
ひとつひとつ蔵を個別にアドバイスするというもので、
とある蔵の複数の出品候補の酒を、じっくりと時間をかけて、
醸造試験場の4人の先生が利き酒して、どれを出すべきか、アドバイスする、というものです。

で、こちら。
面白いことに、酒こまち35%と改良信交40%では、まっぷたつに票が
割れました。先生が2人づつ、それぞれ別の酒をいいと評価したわけです。
いやーー、楽しい結果です。

そして本日は、ついに春の「秋田県清酒鑑評会」の審査会!
昨年の流れ同様に、
酒こまち35%、改良信交40%、この審査で評価が高かったほうが、
「全国新酒鑑評会」へ出品されることとなります。

さて、古関副杜氏が三年目にしてついに出品の名誉を勝ち取るか?
ダークホース扱いだった、改良信交40%+泡あり6号という「超クラシック配合」の純米大吟醸が、
まさかの逆転をするか?

一般公開は明日! たしか秋田ビューホテルで昼頃から!!