東北リーグ

えー、数日前になりますが、当蔵とお取り引きのある「日本名門酒会」さま関連の
イベントが、秋田にて開催されました。

東北全域の一般小売りの加盟店さまと、全国津々浦々の加盟蔵が集まった「東北リーグ」です。
まずは、講演者である増田様の、ためになる酒販ビジネスについてのセミナーがありまして、
私も、たいへん勉強させていただきました。

そして、その後、ご当地秋田の蔵として、私も15分ちょっとお話をさせていただきました。

私の話の要約としては—–。
日本酒は、吟醸だの本醸造だの、無濾過だの、生だの、
言葉がわかりにくいし、その区分けも難しいし、一方で(申し訳ないですが)、コスト至上主義の
安酒の中には、現代の酒類間競争のなかでは、あまりにまずく感じられて、飲めない酒も多い。

つまり現状では、「日本酒」は、あまりに玉石混淆すぎて、
お客さんは怖くて買えないのではないか?
(特に若者にとって)四合瓶1000円ちょっと出して、失敗したら、大変なことです。
そんな簡単に日本酒には手をのばすことができないのです。

だから、メーカーも流通もお店も、もっとわかりやすくして、
さらに、何が玉で石か、はっきりさせないといけないと思います。
同じ「日本酒」の中に、すばらしい味わいのものもあれば、
言いにくいのですが、褒められない方針や発想のもとに造られている
レベルの低いものもある。これでは、お客様にとって、日本酒を買うということ自体が、
あまりにもギャンブルです。こうした状況では、
日本酒に、絶対に市民権など得られない。この状況を改善すべきであって、
できれば、旨い酒/しっかりした造りの酒/きちんとした付加価値をもって売ることができる酒
には「本格焼酎」みたいに、新しいカテゴリーが必要だと申しました。

さて、ここから先は言いませんでしたが、最近私は、自分のところの酒は棚にあげてすみませんが、
好きな他蔵の酒について、むしろ「日本酒」と謳わない方がかえっていいのではないか?
という気がする時もあります。
というのも、一生懸命がんばって素晴らしい酒を造っていても、
コスト至上主義の酒、質より量の酒と一緒くたにされてしまえば、
ともに滅亡するだけだからです。

うまい酒は、別に「日本酒」と名乗らなくてもいいのではないか—–?
別の名称で売った方がまだマシなのでは? と思うのです。

現在、アメリカで破格の安値で売っているような、メイド・イン・中国の、
はっきり言って「まがい物の酒」なんかでも、堂々と「日本酒」として売られています。
これは、未来の日本酒のため、即刻やめないとならないのですが、
日本中で、世界中で、薄辛い酢のような無惨な酒が、「日本酒」として売られています。
先祖が造り上げ、蓄えた「日本酒」の価値を浪費しています。

少なくても他国で造った酒の名称は「清酒」とかにして、
日本で造った酒をこそ、「日本酒」と呼ぶようにして欲しいです。
(できれば、日本で造った純米酒が「日本酒」であって、アル添酒は「清酒」にしたら?
などなど、無数に要望はありますが—–)
実際問題、まったく実現不可能でしょう。

中小の酒蔵にこの流れが変えられないなら、
いっそ「日本酒」などという名前は、こちらから返上すればいいのでは、
とすら思うときもあるのです。
単に、「米から出来た酒」でいい。時々、本気でそう思うときがあります。

蔵元駄文-名門酒会セミナー

ともあれ、東北リーグの後の、懇親会。
席順はくじ引きでの抽選でしたが、なんと、当社の鈴木杜氏は、
「大山」の加藤社長と、「春鹿」の今西社長という超ビッグネームに挟まれた席でした。
うちの杜氏、相当、恐縮している模様。

蔵元駄文-大山新政春鹿

さてさて、NEXT5共同醸造酒について。
酒母はどんどん出来ています。
「ゆきの美人」の小林さんは、毎朝夕、櫂入れ検温、操作をきっちりして、
ナイスな酒母を造り上げています。

蔵元駄文-こばやしさん!
「う~~ん、暖器(だき)、もっと早く入れても良かったかな?」
など、いろいろとデータを見ながら、分析して操作を行います。
毎日毎日、私もたいへん勉強になります。


私は、今期、はじめての麹の泊まり番がありました。
なんだか、まだ、勘が取り戻せませんね~。
こちら、出麹して温度を下げている途中の、美山錦(精米歩合60%)で造った麹です。

蔵元駄文-出麹

ではでは!