出品バトル酒 報告5「梨花の添仕込」

さて、出品バトル酒ですが、
三者三様の、それぞれのスタイルの酒母ができました。

鈴木杜氏の「梨花 Ⅱ」の酒母は、すでに「添仕込み」を終えて、
今日は、仕込みのない日(酵母増殖のための休止期間である「踊り」)です。

昨日、12度ジャストで仕込まれたのですが、
今朝、なぜか温度が上がってませんで、杜氏は、やや心配していましたが、
夜には、太い筋泡が、ぼんと浮き出た、ちょうど良い踊り具合になりました。
午後11時現在で、品温12.7℃です。

以後も、きっと、うまくゆくでしょう。
明日「仲仕込み」、明後日「留仕込み」と続き、三段仕込みが完了します。


蔵元駄文-杜氏の踊り

一戦終えて、一息つく、鈴木杜氏です。

蔵元駄文-一戦終えて


古関副杜氏の「オクトパスガーデンⅡ」は明後日、添仕込み。
もう品温をできるだけ下げたいというので、酒母室から、仕込み蔵のほうへ
持ってきていますね。
この酒母、設計通りの経過で、まさに優等賞的。美郷錦は、難易度の高い米なので、
うまく仕留めて欲しいです。

蔵元駄文-オクトパス酒母

三人とも、凝るところが全く違っていて、ウケます。

鈴木杜氏は、見たところ、仕込みそのものの段取りや備品の用意などに、
深い配慮が見られます。用意が良く、ストレスなく、気負いなく、
スムーズに仕込んでいる感じです。特段、出品酒だからといって特殊なことはせず、
通常の市販酒と変わらないことをしている、というポリシーが見られます。
いわば「段取魔王」。彼は、非常に、女性受けの良い男ではないかと思います。

古関副杜氏は、仕込水について、硬水(当蔵所有の新屋の井戸水=県内最硬級の5~6の水)と、
軟水(メインで使っている伏流水、硬度1程度の超軟水)を使い分けるとか、
原料処理の精度にこだわりまくるとか、
酒造の基本をたいへん意識した、超本格派。職人的な細かな設計をもとに、
仕込みを行っている感じです。

私は、比較的不利な米をあてがわれているので、米のポテンシャルに依存した
通常の造りでは、無敵米「酒こまち」や、秋田最高級米「美郷錦」と渡り合うのは
至難の業です。結果として、トリッキーな戦法をとらざるを得ません。
ということで、私のチームの場合、設計をよく練り込んでおります(それしかできない?)。
10回以上、麹歩合や麹菌の選択、酒母の量など、あれこれと配合をいじくりましたが、
まだ決めかねているところが多いくらいです。


あ、私の出品酒「見えざるピンクのユニコーンⅡ」の使用酵母ですが、
使用酵母は、「きょうかい6号」と、「六號改」のブレンド。
ちなみに、以下は、きょうかい酵母の「アンプル」の写真です。
参考までに。

蔵元駄文-アンプル

酒母は、明日の湧付を目指して、現在、保温中。
これは、保温マット。

蔵元駄文-防御壁

その内部にありますのは—–
冷えないようにしっかりと、さらに断熱マットに包まれた小さな酒母です。
今日は、13度くらいをキープで、明日は、17度まで引き上げて、キープ
という設計になってます。

蔵元駄文-中身

えー、仕込みはまだ先ですが、これからも順調なことを祈って—-ではでは。

蔵元駄文-看板