共同醸造酒 passion 2011   vol.1 酒母麹 

さて、なんだかいろいろとやってますうちに!
NEXT5 共同醸造酒 “PASSION 2011″ の酒母麹の製作の日になりました!
いつの間に?

各社それぞれ夏の生酒は、多々あれど—-それらは、すでにけっこう前に搾られたもの。
スーパーフレッシュ搾り立てを、真夏だろうと、なんなくつくれるのは、この蔵ぐらいなものでは?

マンション一階ぶち抜きの、完全空調の衛生的空間を持つ、秋田の誇る超絶技巧蔵!

「ゆきの美人」!!

今回、東日本大震災のためのチャリティも兼ねて、ついに。
夏搾り共同醸造酒「PASSION 2011」の製作が開始されました。
このまま行くと、発売はおそらく、7月10~15くらいになるのかな?

まずは、酒母造りのための、酒母用の麹造りからすべては始まります。
ちなみに、NEXT5のメンバーの担当は、
酒母(酒母麹含む) 「新政」佐藤祐輔
麹(掛麹)     「春霞」栗林直章
原料処理      「白瀑」山本友文
水提供       「一白水成」渡邉康衛
もろみ       「ゆきの美人」小林忠彦

という布陣!

こうして、まずは酒母を造るための麹造りからすべては始まりした。
昨日は、米を洗い、水に漬けました。そして、今日は、その米を蒸して、
麹を造るため、麹室に引き込みます。

これは「ゆきの美人」の釜。
マンションの地下2階と地下1階をぶちぬきで建造された、
半径2メートル、高さ7メートルの、円錐状の大英帝国式の釜。
まさに産業革命時代の構造を受け継いだ、クラシックな石炭釜です。

明治時代に建造された、たいへん貴重な建造物。
いまだ現役ながら、国の重要史跡にも指定されておりまして、
赤レンガ郷土館に並ぶ、秋田市最大の観光スポットです。
ちなみに、これは一階部分から全景を見下ろした写真。


蔵元駄文-釜







無論、嘘です。英国旅行の時に撮った写真です。


さあ、どうでもいいが、米が蒸し上がりました。
分割式二重甑から—-

蔵元駄文-甑

米が取り出され、熱い湯気を抜いてやや冷まします—–

蔵元駄文-荒息抜き

そして、米を麹室にひきこんで、「床」とよばれる台に広げてゆき、さらに
均一に水分を発散させ、温度を下げます
手際よい、「ゆきの美人」の麹師、吉田さん! 
そういえば、彼、私の高校の先輩。小林さんはさらにその上の先輩。

蔵元駄文-広げる

けっこう割れも少ないし、いいぞ!!
そうです、今回使う米は「美郷錦」という米。秋田最高級の酒米で、山田錦と美山錦の掛け合わせ。
栽培は「春霞」さんの契約栽培農家さまの手によるもの。
精米は、当蔵でやりました。削って10~12日目くらいですが、けっこういい感じ。
ほっとしました。

蔵元駄文-乾燥


玄米の比較です。「愛山」と。
つっても「愛山」も相当レアだから、これと比較じゃわかんないよなあ—–

蔵元駄文-比較


そして、頃合いを見計らって、種麹を散布して、乾かないようにぎゅっと山にして、
明日の朝まで、ビニール袋で密封します。これを「床期間」といいますね。

明日は、朝から「盛り」です。小さな蓋に移し替えて、菌の成長を抑制しながら
コントロールする「棚期間」というものにうつります。
明日も頑張ります!